国際的な文化事業による創造的な都市・地域整備に関する研究~「欧州文化首都」から「東アジア文化都市」へ~
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2014/05 (2014 Vol.2)
芸術・文化政策センター 主席研究員/センター長
太下 義之

2014年2月、「東アジア文化都市」が横浜市にて開幕した。

この「東アジア文化都市」とは、日中韓3ヵ国において、文化芸術による発展を目指す都市を選定し、その都市において、現代の芸術文化から伝統文化、また多彩な生活文化に関連するさまざまな文化芸術イベント等を実施する事業である。

この「東アジア文化都市」には、企画の元となったアイデアが存在しており、それが「欧州文化首都」である。「欧州文化首都(European Capital of Culture)」とは、EU加盟国の2都市が協力しつつ、1年間を通じてさまざまな芸術文化に関する行事を開催する、という制度である。

本稿においては、欧州文化首都の具体的事例として、ロッテルダム(2001年)、リール(2004年)、リンツ(2009)、エッセン(2010)、と4都市のケースを概観した後、直近に開催された、フランスのマルセイユとスロバキアのコシツェ(ともに2013年)の2都市の事例を紹介している。

今日、「東アジア文化都市」を2014年から開催する日本、中国、韓国は、3ヵ国の歴史にみても外交関係が最も困難な状況に陥っているが、このように政治的に困難な情勢だからこそ、日本、中国、韓国における文化による交流が必要不可欠なのだと筆者は考えている。

そして、「東アジア文化都市」が、その目的に掲げている通り、「東アジア域内の相互理解・連帯感の形成を促進」することができれば、そのことは東アジア3ヵ国の平和的な関係の構築にも大きく寄与することとなる。
それは日中韓の3ヵ国にとって未来へ向けての大きな希望となり、十分にノーベル平和賞に値する成果と評価できるのではないかと筆者は考えている。

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