防災文化を育む~危機管理人材の技能継承手法『芦屋SHINE』~
全文紹介

2015/02 (2015 Vol.1)
研究開発第1部(大阪) 主任研究員
平野 誠也

阪神・淡路大震災から20年を契機に、被災自治体では災害対応の教訓や経験を 継承しようという動きがより一層強まっている。被災自治体に対するアンケート調 査によると、半数近くの震災経験職員は教訓を継承していると思っているが、震災 未経験職員の3分の2近くは自分が担当する災害対策業務の教訓を知らないという 現状が明らかになった。「伝える」ということと「伝わる」ということは異なると いうことだ。

このような中、芦屋市では、職員間で知識・教訓を継承していくことが引き続き 必要という認識から、継承の新たな方法を作成した。被災自治体としての貴重かつ 特別な経験と教訓を、経験職員から引き継ぐだけでなく、今後も震災経験のない職 員同士、さらに次の世代の職員に対しても、経験や教訓の引継ぎが行えるようなシステム、計画やマニュアル 等では読み込めない行間の部分を伝えていく方法(芦屋SHINE)だ。「継承すべきことをきちんと聞き取る」 「継承すべき内容を整理し、ほかの職員に能動的に継承する(未経験職員から未経験職員に継承する)」とい う2つの課題を克服するため、4つのステップからなるシステムだ。

4つのステップとは、シミュレーション(Simulation)、ヒアリング(Hearing)、伝承・継承(INheritance)、 拡大・拡張(Expanding)の4 ステップで、図上訓練形式の気づき、震災経験者からの聞き取り、継承するべき 教訓の整理、未経験職員から未経験職員への引継ぎが盛り込まれている。伝える側だけでなく、伝えられる側に も自覚を促すというところが最大の工夫点だ。この取り組みが、継承の新しい方法として広がっていくことを望 みたい。

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