代替ルートが防災に果たす効果分析~新東名・新名神ルートの役割~
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2015/02 (2015 Vol.1)
研究開発部(名古屋) 主任研究員
宮下 光宏

2013年の東名高速道路の平均交通量は、1969年の全線開通時の約4倍にのぼ り、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆、行楽シーズンを中心に混雑が恒常化し ている状況にある。こうした課題への対策として、「東名・名神高速道路の抜本的 サービス改善」「ダブルネット化による信頼性の向上」「国土の大動脈として三大 都市圏の連携強化」等の効果を期待し、高速道路会社では、新東名・新名神の整備 を進めてきているところである。また、全国の高速道路の貨物輸送量に占める現東 名・現名神の割合は約33%と圧倒的なシェアとなっており、当該道路の利用が制 限された場合は、わが国経済に大きな影響をもたらすことが予想される。

こうした背景を踏まえ、本検討では、東日本大震災の復旧・復興スピードおよび 南海トラフ巨大地震の想定震度を参考に、東京-小牧間を結ぶ東名高速道路に着目し、代替ルートが防災に果 たす効果として、並行して整備されている新東名高速道路がもつ大規模災害時の経済的な影響を定量的に把握 し、新東名・新名神の役割について考察した。

その結果、新東名がない場合には災害後12ヵ月で12.8兆円の経済損失額が見通される中で、新東名がある 場合は少なくとも経済損失額合計の約5%、7,310億円/年の経済損失額が軽減されることが試算された。新 東名・新名神は、非常時(事故や局地的な災害等)において、途絶・利用制限における代替ルートとして機能 や、大規模災害時のわが国全体の経済活動の停滞を最小限に押さえる役割を持ち、東西交通の多重化を図る道 路として、わが国にとって重要なインフラのひとつといえる。

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