ハーバード大学の挑戦~“Harvard Innovation Lab”:グローバル・イノベーション・ハブの構築~

2013/08/02
社会課題解決
アメリカ

2011年、ハーバード大学はイノベーション創出、新産業創出に向けた新たなソ ーシャル・アクションに着手した。本稿では、この新しい試みである“Harvard Innovation Lab”(通称、i-lab)の取り組みを紹介する。新産業創出・新市場開 拓と社会的課題の解決・改善を両立しようとする起業家、地球規模のグローバル・ イシューの解決・改善を志す社会起業家の育成・支援に向けたアクション・ラボの 挑戦はわが国にも大いなる示唆を与えてくれる。

i-labは、地球規模のグローバル・イシューの解決・改善を志す起業家、社会起 業家の育成・支援に取り組んでいる点が特徴的である。特に、国際社会にとって喫 緊の課題である(1)学習・教育、(2)エネルギー・環境、(3)保健・医療、(4) 防災・災害救援、(5)文化・芸術の5分野において創造的な解をもたらすことを目指している。支援メニュー もユニークで、学長等が任命する外部専門家EIRによる事業化に向けた支援やビジネスプラン・コンテストで あるPresident’s Challengeは特に注目される手法である。

本稿では、i-labから生まれたVaxess Technologies社に触れ、最後に、i-labによる取り組みの特徴として、 (1)学生によるイノベーション創出支援、(2)多様な専門性が織り成す起業家チームを対象とした支援、(3) 大学が有する社会資源の有効活用とトップダウンのマネジメント、(4)国際協力・開発の現場ニーズを起点と してビジネス・アイデアの抽出、(5)カルチュラル・アントレプレナーシップに対する支援の5点について整 理している。

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