経営戦略
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約7割の施設が対前年度比減少。台風の影響による臨時休業・イベント中止、新型コロナウイルス流行による人々の活動自粛や休業が集客減に影響
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:村林 聡)は、「2019年度東海3県主要集客施設・集客実態調査」の結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
本調査は、東海3県(愛知、岐阜、三重)の集客施設における集客実態を把握するため、毎年実施しているものです。今回の調査では、新型コロナウイルス流行の影響を鑑み実施を6~7月に遅らせ、2020年1月~5月の期間に各施設が取り組んだ経営上の対策についても設問を追加しました。80施設から回答がありました。
調査にあたっては、2019年度を2つの期間(4月~12月と1月~3月)に区分して集客数を把握し、前年同期との比較を行うことで、新型コロナウイルスが流行する以前の集客状況と新型コロナウイルス流行後の集客状況についてそれぞれ分析を行いました。
(1)集客数上位施設について
首位は14年連続で「ナガシマリゾート」。第2位と第3位、第4位と第5位でそれぞれ順序の逆転がおきましたが、上位5つの施設は昨年同様となりました。
順位 | 施設名 | 集客数 | 結果分析 |
---|---|---|---|
1 | ナガシマリゾート | 1,550万人 | 14年連続で首位。梅雨明けの遅れや台風による閉園が集客数減少要因となったものの、新アトラクションのオープン(19年3月末)が集客増に寄与し、集客数を維持した。 |
2 | 中部国際空港セントレア | 約846万人 | 新型コロナウイルス流行の影響により20年1月~3月の集客数は対前年度比で約2割減少したものの、19年4月~12月は対前年度比で約3割増加しており、年度全体では対前年度比13.1%増となった。 |
3 | 刈谷ハイウェイオアシス | 約810万人 | 新型コロナウイルス流行による外出自粛や団体観光バスの来訪激減が集客減に大きく影響し、集客数は対前年度比4.5%減となった。 |
4 | ナゴヤドーム | 約484万人 | 新型コロナウイルス流行に伴いイベント中止を余儀なくされたが、19年4月~12月のコンサート開催日数の増加やシリーズイベントの実施等が集客数をカバーする形となり、対前年度比4.9%増となった。 |
5 | 国営木曽三川公園 河川環境楽園 自然発見館 |
約463万人 | 開園20周年記念事業の展開や噴水設備の新規整備が奏功し、前年度比0.1%増となった。 |
(2)対前年度増減率の傾向について
対前年度比では、77施設*1中、54施設(70.1%)が減少となった。夏期の台風の影響による臨時休業・イベント中止、新型コロナウイルス流行による人々の活動自粛や休業が集客減に影響した。各施設の対前年度比の減少割合も、例年よりも大きい傾向にあり、1割以上減少した施設の割合*2は、22施設(28.6%)であった。
なお、新型コロナウイルス本格流行前の19年4月~12月では、“令和改元”に伴う祝日増加や暖冬が影響し、51施設*3中30施設(58.8%)で対前年度同期比増となった。
(3)新型コロナウイルス流行による影響について
20年1月~3月では対前年度同期比で52施設*3中、42施設(80.8%)で減少、政府による緊急事態宣言や休業要請発令があった20年4月~5月では対前年度同期比で58施設*3中、57施設(98.3%)で減少した。特に各施設の休業措置や人々の外出・イベントの自粛、団体客のキャンセルが大きく影響した。緊急事態宣言発令前までは個人レベルでの動きはあったため、自粛中も密を避けられ、軽い運動など健康維持ができる大規模な公園など、一部施設では新型コロナウイルスの影響は微少であった。
■外国人旅行者を集客していた施設は影響大
新型コロナウイルスの影響が生じる前は好調であった外国人旅行者の来訪も大きく影響を与えた。これまで外国人旅行者の来訪が集客数に寄与していた施設では、海外からの渡航制限による外国人旅行者の来訪減少も打撃となった。
■休校に伴う学校行事等の中止が影響、密が避けられる屋外大規模施設への影響はわずか
新型コロナウイルス流行による小中学校の休校措置に伴い、学校行事や子ども会等の定例行事(遠足等)も中止となり、例年これらの取り込みがあった施設を中心に、約6割の施設で集客数が減少している。一方、密を避けることができる屋外型施設を有する施設では、一時行き場のなくなった子ども連れの来訪が増加したことにより、集客数増加要因となった施設もあった。
■自粛期間中も再開に向けた様々な工夫と準備がなされた
20年1月~3月の新型コロナウイルス影響下の営業・経営対策として、約9割の施設が「衛生管理の強化・三密対策」を実施したほか、約5割の施設で「施設の魅力向上(改修・清掃等)」を、約4割の施設で「SNS等での情報発信」(実施)を行い、来場者の安心・安全の確保に取り組んだこともわかった。
新型コロナウイルス流行下での営業・経営対策によって生じたプラスの影響もあり、「オンラインでの新たな関係構築」、「新たな働き方の導入」、「受入環境の整備」、「他施設との連携機運の高まり」(それぞれ約2割の施設で生じたと回答)といった影響がみられた。
■短縮される20年夏休みに向け、夏休み期間外もサービスを拡大
期間が短縮される夏休みに向けて、三密対策は実施しつつ、イベントの開催を予定している施設が多くみられる。夏休み期間以外(例年であれば夏休みの期間)において、ナイター営業を実施し、平日の学校や仕事の後や、休日に立ち寄ってもらえるような工夫も見られる。
調査結果の詳細につきましては、当社ホームページ掲載の政策研究レポートをご覧下さい。
https://www.murc.jp/report/rc/policy_rearch/politics/seiken_200717/
7月18日訂正|ニュースリリース内、「2. 調査結果の要旨(3)新型コロナウイルス流行による影響について」の文中に以下の通り誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。
(誤)58施設*3中、56施設(96.6%)で減少した。
(正)58施設*3中、57施設(98.3%)で減少した。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
名古屋研究開発部|研究員:加藤 千晶
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