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米国の新型コロナウイルス感染第2波について~経済的影響は限定的もリスクシナリオに注意~

2020/07/17
調査部
細尾 忠生

○米国では、新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が連日で過去最多となり、再開させた経済活動をまた止めるなど見直す動きが広がっている。特に、フロリダ、テキサス、カリフォルニアの各州で感染者が急増している。

○感染の拡大状況を示す指標をみると、第一に、検査における陽性率が上昇し、市中感染の広がりを示唆するものの、3~4月のニューヨーク州の陽性率と比べ、現時点では相対的に低い水準にとどまる。

○第二に、医療提供体制への負担を入院患者数でみると、3州とも入院患者数の増加がみられ、また、報道などをもとに判断すれば、カリフォルニア州の一部地域とテキサス州で医療提供体制のひっ迫がみられる。

○第三に、感染状況を最も端的に示す死者数は、3州ともに7月に入り急増したが、3月のニューヨーク州の死者数と比べると、足元の増加ペースは依然として緩やかなものにとどまっている。

○こうした中、感染者の急増に対する各州政府の対応は、3月のニューヨーク州政府の対応と比べ後手に回り、感染者の一段の増加につながったとみられる。

○感染拡大の長期的展開について、メインシナリオでは、感染拡大が3~4月にかけてのニューヨークほどの深刻な危機に至らず、経済的な影響も限定的にとどまると想定する。このケースでは、米経済は7~8月にかけて改善の動きが一服するものの、景気回復の基調が途切れるまでには至らず、経済的影響は限定的なものにとどまると見込まれる。

○もっとも、3州の新規感染者数は幾何級数的な勢いで増加しており、感染症の大流行において、一度このような状況に直面すると、感染者数の増加に歯止めをかけるために、経済社会活動について強い規制措置を実施する必要が生じる。市中感染の広がりがみられ、医療提供体制のひっ迫が伝えられるテキサス州が外出制限措置を実施する可能性が現状では最も高いとみられる。措置が実施されれば、回復しつつある米経済が再び深刻な落ち込みを記録することにもなりかねない。このような悲観シナリオは、リスクシナリオの域を出ないが、その可能性を低く見積もるべきではない。

調査部
主任研究員
細尾 忠生

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