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原材料の戦略的な確保を図るEU~欧州原材料同盟(ERMA)構想の特徴と問題点

2021/08/31
調査部
土田 陽介
  • 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、気候変動対策とデジタル化対策を経済成長戦略の二本柱に定めて、様々な取り組みに着手している。2020年9月29日に発足した「欧州原材料同盟(ERMA)」と呼ばれる官民協業の共同体もまた、そうした試みの一つである。欧州委員会の差し当っての戦略目標は、ERMAという取り組みを通じてレアアース(希土類)の対中依存度を引き下げることにある。
  • 欧州委員会が掲げる経済成長戦略の実現に必要不可欠なレアアースであるが、EUは現状、その9割以上を中国からの輸入に依存している。経済安全保障上の観点から、欧州委員会はEU域内外で鉱山の自主開発を推進するとともに、再利用(リサイクル)のシステムを構築して、レアアースに代表される「重要な原材料」の対中依存度を低下させようとしている。
  • ERMAそのものは組成されたばかりであり、実際に成果が出るまでにはまだ時間を要する。一方で、ERMAには①原材料のコスト増リスク、②プロジェクトの不稼働資産化リスク、③近隣諸国との関係悪化リスクといった懸念要因も存在する。
  • 特に看過できないリスクは、近隣諸国との外交関係が悪化しかねないことにあると言えよう。経済安全保障を重視し過ぎるがゆえに、「自由貿易」や「人権外交」に代表されるようなEUが掲げる他の原理原則との間で矛盾が生じれば、EUは国際的な孤立を招きかねないのではないだろうか。

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調査部
副主任研究員
土田 陽介

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