経営戦略
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油種によってやや異なる動きになった。ブレント原油は8月以降、1バレル=110ドル前後を中心に推移したが、上値はやや下がった。WTI原油は、10月上旬にかけて一時75ドル前後まで下げたが、その後は100ドル台まで大幅に上昇した。一方、ドバイ原油は、対イラン制裁が原油取引に及ぶ可能性が意識され、11月後半からブレントに対して上昇した。来年半ばにかけて、WTI原油は90ドル前後、ブレント原油は100ドルを下回る程度まで下落すると予想される。
11月も欧州の財政金融問題が、金融・コモディティ市況をみるうえで最大の材料であった。欧州では、景気の先行きへの懸念が強まっているが、中国や米国や日本の景気は底堅さを保っているようだ。もっとも、実物面・金融面ともに、コンフィデンスの悪化を通じて金属市況の下押し要因になった。今後、米中日の景気が底堅さを維持し、中国を中心に世界のベースメタル需要は増加を続けるだろう。欧州の財政金融問題に対する不安心理が後退すると、ベースメタルの市況は上昇すると思われる。
原油市況を総合的にみると、2011年の原油市況はかなり高い価格での推移が続き、夏場以降はようやく騰勢が一服して、足元は総じて横ばい圏で推移している。2012年前半は、リビアなど産油国の増産や需要の鈍化を受けて、原油市況全般が下落する余地があるように思われる。2012年後半には、それまでの極端なブレント高・WTI安という異常事態がほぼ解消され、供給力の増加によって原油需給は安定した状態が見込まれることもあり、原油相場は安定した推移が見込まれる。