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原油価格見通し

2004/04/09

〇価格動向~OPEC減産方針と米ガソリン市場の問題で一時38ドル台に急騰

WTI原油(期近)は、減産合意に基づくOPECの輸出削減通告や、米国のガソリン需給逼迫を受け、3月下旬に一時38ドル台に急騰した。その後、OPECの減産見送り案や米国の米ガソリン品質規制の適用凍結案などが報じられると34ドル台に下落した。しかし、OPECが3月31日の総会で4月からの減産を予定通り実施することで合意し、米国のガソリン需給も逼迫が続いていることから、足元では38ドル近くに戻している。

〇今後の原油価格に影響を及ぼすポイント

  1. 世界景気の動向と需要見通し:米国や中国を中心に予想以上に需要が拡大している。年後半には世界景気の減速が見込まれているが、工業生産が拡大している中国やアジアの原油需要は堅調であり、世界需要は高い伸びを維持する見込みである。
  2. OPECの生産政策と非OPEC産油国の供給見通し:現状、超過生産を容認しているOPECは価格が下がりだせば減産に本格的に取り組むだろう。しかし、生産能力を増強した非OPEC産油国の増産が全体の供給を拡大させるだろう。
  3. 世界の需給バランス:OPECと非OPECを合わせた供給拡大が、世界景気の回復にともなう需要拡大を上回り、需給緩和が進展している。これに歯止めがかかるのは、価格が低下してOPECが本格的に減産に取り組む2004年終わりになる。
  4. 米国の需給動向:供給過剰を背景に原油在庫の積み増しが進むものの、景気回復やドライブシーズン到来でガソリン需給が逼迫気味で推移し、原油価格の押し上げ要因となる。ただ、価格上昇を受け、ガソリン品質規制強化の適用凍結が検討され始めており、夏に向けてガソリン需給が一段と逼迫する事態は避けられそうである。

〇今後の見通し~WTI原油価格(期近):2004年35.1ドル、2005年31.0ドル

原油価格は、世界景気の回復、米ガソリン需給の逼迫、OPECの減産姿勢などから、当分は30ドル台後半での推移が続くだろう。しかし、今年終わり頃には、世界景気の減速や消費のピークを過ぎた米ガソリン需給の緩和などを受けて、30ドル台前半に落ち着いてくる。ただ、世界景気の調整圧力が小幅にとどまること、実際に価格が下がってくればOPECが減産に真剣に取り組むこと、などから大幅調整は回避されよう。2005年は、前半は世界景気の減速が重石となって原油価格が一時30ドルを割る可能性があるが、後半になると、世界景気の回復やOPECの減産効果などにより緩やかに上昇してくる見込みである。

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