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ユーロの上昇基調と今後の展望

2007/01/26

~第2の国際通貨としてユーロの地位は高まる方向~

○近年、ユーロ相場は堅調に推移し、2006年になって対ドル、対円での上昇傾向が強まった。ユーロ相場の堅調の背景には、(1)米国の景気減速が強まる一方、ユーロ圏で景気拡大が加速したこと、(2)ユーロ圏の政策金利の上昇傾向(それに伴う米国とユーロ圏の金利差縮小)、(3)通貨当局による外貨準備のドルからユーロへの分散化の動きなどがある。

○ユーロ相場の強さを中長期的に展望するために、ユーロの国際的地位を国際通貨の3つの基本的機能(「交換手段」、「計算単位」、「価値保蔵手段」)から考えてみた。現状、3つの基本的機能でユーロは総じて米ドルに対して劣位にあることは否めない。しかし最近になって、国際債券市場においてユーロ建て債券の発行規模が米ドル建て債券を上回ったことや、原油輸出の受取代金をドル建てからユーロ建てに変更しようとするイラン等の産油国の動きなど、ユーロが担う「交換手段」や「計算単位」としての機能が高まる兆しがみられる。さらに、近年では米国の経常収支赤字を背景とした将来的なドル急落リスクの高まりを受けて、大幅な貯蓄超過となった開発途上国の通貨当局を中心に、ユーロへの分散投資のニーズが強まるなど、ユーロの「価値保蔵手段」としての役割も大きくなっている。このように、国際通貨の3つの機能から判断すると、第2の国際通貨としてのユーロの地位は高まる方向にある。

○最近のユーロ圏の景気や近年の国際資本市場の動向からすると、当面、ユーロが大きく下落に転じる可能性は小さいと言えよう。しかし、ユーロが今後も一段と上昇し、国際通貨としての地位をさらに向上させるためには以下のような課題を乗り越えていくことが重要であろう。すなわち、ユーロ圏の経済成長の持続と加盟国の増加、インフレ圧力を抑制するための適切な金融政策運営、財政健全化等の構造改革の進展、国際資本市場におけるユーロの流動性の一段の拡大などである。

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