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低迷する住宅着工の現状と中長期展望 ~住宅着工100万戸割れは定着してしまうのか?~

2009/10/09

○2008年9月のリーマン・ショック以降、他の経済指標と同様に、住宅着工戸数も極端な落ち込みを余儀なくされてきた。リーマン・ショックから1年が過ぎ、いくつかの経済指標では、下げ止まり、もしくは反転の動きがあらわれてきているが、住宅着工戸数は目下のところ下げ止まりの兆しを見せず、著しい低迷を続けている。

○今般の住宅着工の低迷は、需要サイド(住宅の需要者である家計)と供給サイド(住宅の供給者である住宅業者)がともに活動を萎縮させた結果、生じた現象と言える。家計が住宅購入を見合わせている要因としては、(1)住宅価格の先安感、(2)住宅ローン金利の低金利持続期待、(3)雇用・所得環境の悪化などが指摘される。一方、住宅供給業者が新たな住宅供給を控える要因としては、(1)在庫の積みあがり(売れ残り物件の販売を優先)、(2)新規プロジェクト資金の調達難、(3)プロジェクト組成の凍結(過去に高価格で仕入れた物件について利益がとれる価格になるまで)などがあげられる。

○一定の仮定の下、中長期的な住宅着工戸数の試算をおこなうと、2009年から2013年までの5年間の住宅着工戸数は427万戸で、1年当たりでは85.4万戸となった。2014年以降は、1年当たりにすると60万戸台の推移が見込まれる。住宅着工戸数100万戸割れは今後も定着することになりそうだ。

○世帯数の減少がもはや避けられない中で、住宅着工、住宅投資がジリ貧となっていくのを避けるためには、住み替えや建て替えの増加、あるいはリフォームの増加に活路を見出す以外に方策がない。住まいの改善は人々の厚生を高め、街並み、景観の改善にもつながる。放置すればジリ貧とならざるをえない住宅投資を政策によって押し上げる工夫が求められる。

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