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増加する中高年フリーター

2005/04/04

~ 少子化の隠れた一因に ~

  1. 景気回復を受けて若年の雇用環境が改善している。しかし、その一方で、すでにフリーターでいる期間が長く、そこからなかなか脱け出せずにフリーターのまま中高年になってしまう者や、就業意欲を失ってフリーターからニートになってしまう者も増えており、雇用改善の陰で二極化が進行している。
  2. 35歳以上になってもフリーターのままでいる‘中高年フリーター’の数は、2001年には46万人だったが、10年後の2011年には132万人に増え、さらに2021年には200万人を超える見込みである(基本シナリオ)。
  3. 中高年フリーターが100万人以上もいる社会とは、いったいどんな姿であろうか。平均的にみると低所得である中高年フリーターが納める税金や社会保険料、手元に残る可処分所得(消費と貯蓄の合計)は正社員より少ない。このため、2021年に200万人を超える中高年フリーターが正社員になれないことによって税収(▲1兆1400億円)、社会保険料(▲1兆900億円)、可処分所得(▲5兆8000億円)が減少し、GDP成長率を1.2%ポイント下押しする可能性がある。中高年フリーターの増大は、本人が暮らしに困るだけでなく、経済全体にも無視できない影響を及ぼす。
  4. また、経済力の弱いフリーターが結婚する割合は正社員より低い。いわゆる結婚適齢期を迎えるフリーターの増加は婚姻率を押し下げ、婚姻率の低下は出生率を押し下げる。フリーターが正社員になれないことによって減少する(先延ばしにされる)婚姻数は年間5.8万組~11.6万組となり、婚姻率を年間0.05‰~0.09‰ポイント押し下げている。さらに、婚姻数に有配偶女性が一生の間に生む子供の数を掛け合わせると、フリーターが結婚できない(しない)ことにより、毎年生まれる子供の数が13万人~26万人下押しされることが分かる。これは、出生率を年間1.0‰~2.1‰ポイント押し下げていることになり、結婚適齢期を迎えるフリーターの増加は少子化の隠れた一因になる。

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