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2019/2020年度短期経済見通し(2019年3月) (2次QE反映後)~下振れリスクが高まる中、景気後退局面入りは回避へ~

2019/03/11
調査部

○2018年10~12月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+0.5%(年率換算+1.9%)と2四半期ぶりに前期比プラスとなった(1次速報の同+0.3%を上方修正)。自然災害による一時的な下押し圧力の剥落に加え、内需が堅調だったことがプラス成長に転じた主因である。しかし、前期の落ち込み(前期比-0.6%)を十分には取り戻せておらず、回復力は強さに欠ける。これは、海外経済の減速を受けて輸出が弱含んでいることが背景にある。

○中国、欧州などで景気減速感が強まっていることや、スマートフォン向けを中心にICT関連需要が落ち込んでいることで輸出が弱含んでおり、年明け以降の景気は横ばい圏で推移している。このため、後退局面入りのリスクが高まっているが、企業の設備投資の増加が続き、労働需給のタイト化、名目賃金の増加などを反映して個人消費が底堅く推移すると期待されるため、景気は横ばい圏での推移に踏みとどまり、18年度の実質GDP成長率は前年比+0.5%と4年連続でプラス成長を達成すると見込む。

○景気の最大の下振れリスクは、世界経済および国際政治情勢の悪化である。中でも米中貿易摩擦は、関税の追加引き上げなど両国の対立が深刻化すれば、株価急落などの金融市場の混乱や、米中両国経済の悪化と世界経済への波及が懸念される。英国のEU離脱問題も含め、世界経済の行方は政治次第という状況がしばらく続きそうだ。世界経済が悪化すれば、輸出の減少を内需の拡大ではカバーできず、景気は後退局面入りしよう。

○ 2019年度は、10月に消費税率が10%に引き上げられるが、引き上げ幅が2%と小幅であり、駆け込み需要・反動減とも前回と比べて小規模となる。雇用・所得情勢の改善を背景に消費者マインドの悪化は軽微にとどまるうえ、一部に軽減税率が適用されることや、各種の経済対策の効果が見込まれること、翌年に東京オリンピック・パラリンピックを控えていることにより、消費の落ち込みは一時的となろう。このため、増税をきっかけとした景気の失速は回避され、実質GDP成長率は前年比+0.6%とプラスを維持できる見込みである。米中貿易摩擦は短期間での決着は難しいが、対立激化によって両国経済が共倒れとなる事態は回避されよう。このため、19年度後半には各国の経済対策効果、ICT関連需要の持ち直しを受けて世界経済は回復基調に転じ、輸出も緩やかに増加する見込みである。

○2020年度は7~9月の東京オリンピック・パラリンピックに向けて個人消費、インバウンド需要が盛り上がることで一時的に景気は押し上げられるが、その反動やインフラ建設の需要の一巡、消費税対策効果の剥落などにより、その後は停滞し、後退局面入りするリスクがある。このため、実質GDP成長率は前年比+0.3%に低下しよう。

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