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2019/2020年度短期経済見通し(2019年12月)(2次QE反映後)~消費増税の影響は軽微で、東京五輪に向け回復期待が高まる~

2019/12/10
調査部

○12月9日に発表された2019年7~9月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+4%(年率換算+1.8%)と、内需を中心に4四半期連続でプラスとなった(1次速報の前期比+0.1%、年率換算+0.2%を上方修正)。駆け込み需要により個人消費は押し上げられたが、天候不順の影響や、改元による押し上げ効果の剥落、需要平準化策の導入などから前期比+0.5%(1次速報値の+0.4%を上方修正)と比較的小幅な伸びにとどまった。一方、設備投資は人手不足への対応や生産性向上のために企業の投資意欲は根強く、前期比+1.8%(同+0.9%を上方修正)と順調に増加した。一方、輸出低迷から外需の前期比への寄与度は-0.2%にとどまった(内需の寄与度は+0.6%)。

○10~12月期には駆け込み需要の反動減や台風の影響などによって個人消費は急減する見込みであり、実質GDP成長率も前期比で大幅なマイナスに陥ることは避けられない。しかし、中小店舗でのキャッシュレス決済時のポイント還元、プレミアム付き商品券の導入などの増税対策の効果や、雇用・所得の改善、増税後の物価上昇が小幅であることなどにより、落ち込みは2019年中に概ね一巡する見込みである。年明け後は、2020年夏に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、消費者マインドも徐々に持ち直すと期待されることに加え、設備投資の増加基調が維持されることや、国土強靭化の推進や災害からの復旧・復興需要を背景に公共投資の増加基調が維持されることも、年度下期の景気を下支えする。このため、消費増税をきっかけとして景気が腰折れする事態は避けられるであろう。

○この結果、2019年度の実質GDP成長率は、前年比+0%と5年連続でプラスを達成しよう。年度末にかけては、各国の経済対策効果やICT関連需要の持ち直しを受けて世界経済も徐々に持ち直し、輸出は増加基調に転じよう。

○景気の最大の下振れリスクは、引き続き海外経済の動向であり、中でも米中貿易摩擦が深刻化することである。足元では対立激化は回避され、両国関係が改善するとの期待感が高まっているが、対中制裁関税第4弾の残り部分が発動されるなど対立が再び深刻化し、世界経済悪化、世界的な株安、リスク回避の円高につながる可能性は残る。

○2020年度の実質GDP成長率は前年比+0.6%に鈍化すると見込む。2019年度の経済対策によって災害からの復旧・復興や国土強靭化の推進により公共事業が上積みされる一方、東京オリンピック・パラリンピックの押し上げ効果の剥落などで年度後半に景気が一時的に停滞する可能性があり、伸び率は低めとなる。2021年度の実質GDP成長率は前年比+0.7%に持ち直す見込みである。5Gの本格的普及が進むことや、東京オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけとしてインバウンド需要の増加に弾みがつくことが、成長率の押し上げに寄与する。

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