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2020/2021年度短期経済見通し(2020年3月)(2次QE反映後)~新型コロナウイルスの感染拡大で、景気は急速に悪化後、夏場にかけて持ち直す~

2020/03/10
調査部

○3月9日に発表された2019年10~12月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比-1.8%(年率換算-7.1%)と5四半期ぶりにマイナス成長に陥った(1次速報の前期比-1.6%、年率換算-6.3%を下方修正)。消費増税と天候不順の影響によって個人消費が急減したほか、企業の設備投資が3四半期ぶりに減少し、輸出の不振も続いた。

○1~3月期については、消費増税や天候不順の悪影響は剥落するものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で景気が大きく下振れし、前期比-1.0%(年率換算-4.0%)と2四半期連続でのマイナス成長を見込む。中でも影響を強く受けるのが、輸出と個人消費である。輸出は、中国向けの財輸出の落ち込みと、外国人観光客の減少によって3四半期連続で前期比マイナスとなり、マイナス幅も急拡大すると予想される。個人消費は、中止や規模の縮小によってイベント関連への支出が落ち込むほか、感染拡大を懸念した自粛ムードの高まりによって、旅行、外食などサービス関連支出も大幅に減少する。

○この結果、2019年度の実質GDP成長率は前年比-0.1%と、2014年度以来5年ぶりにマイナス成長に陥る見込みである。年度後半の景気の落ち込みについては、消費増税、新型コロナウイルスの感染拡大という一過性の下振れ要因によるものであっても、それが連続して発生すれば、もはや一時的な現象で済まされるものではなく、景気はすでに後退局面入りしているものと考えられる。

○2020年度は、「新型コロナウイルスの感染拡大は2019年度いっぱい続き、感染がピークアウトして収束に向かうタイミングは2020年度初めまでずれ込む。ただし、ゴールデンウィーク頃までに拡大懸念はほぼ鎮静化し、東京オリンピック・パラリンピックの開催までには完全に収束する」との想定の下、4~6月期にも個人消費や輸出でマイナスの影響が一部残るが、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて個人消費を中心にイベント効果が高まると期待され、景気の押し上げに寄与しよう。輸出も、夏場にかけて海外景気の持ち直しが進み、徐々に回復していくであろう。

○年度後半は、そうしたイベント効果の剥落などにより景気が一時的に停滞する可能性があるが、首都圏を中心に建設需要が旺盛であるほか、2019年度の経済対策によって公共事業が上積みされ、景気を下支えする見込みである。

○2021年度の実質GDP成長率は前年比+0.9%に持ち直すと見込む。5Gの本格的普及が進むことや、東京オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけとしてインバウンド需要の増加に弾みがつくことが成長率の押し上げに寄与する。

○景気下振れリスクとしては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が想定を越えて広がることのほか、米中貿易摩擦の再燃、中東や北朝鮮での地政学リスクの高まり、米欧政治の混乱の懸念などが挙げられる。

 

3月11日訂正|本文に以下の通り誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。
【1ページ上から2行目 括弧内の数字】
正:年率換算-6.3%
誤:年率換算-3.6%

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