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2020/2021年度短期経済見通し(2020年5月)~景気は持ち直しに転じた後も、新しい生活様式の下で緩やかな回復ペースにとどまる~

2020/05/20
調査部

○5月18日に発表された2020年1~3月期の実質GDP成長率は、前期比-0.9%(年率換算-3.4%)と2四半期連続でマイナス成長に陥った。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて景気が急速に悪化したことを改めて裏付ける結果である。感染拡大防止のために企業への休業要請、家計への外出自粛要請が出されたことで個人消費が2四半期連続で減少したほか、世界経済悪化とインバウンド需要の落ち込みを受けて輸出が急減した。

○2020年度に入り、4月7日に政府より緊急事態宣言が発令された後、16日に対象が全国に拡大され、期限も5月6日から31日まで延長されたことで、経済活動が大幅に制限され、外食、旅行、レジャー関連への支出を中心に個人消費は急減し、景気は一気に冷え込んだ。5月14日に一部地域で期限前に宣言が解除され、残る地域でも解除が検討される状況にあるなど景気は最悪期を脱しつつあるが、それでも4~6月期は前期比-4.6%(年率換算-17.1%)と、リーマンショック時に記録したマイナス幅並みの落ち込み(同-4.8%、-17.8%)となる見込みである。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が悪化し、インバウンド需要はほぼ消失しており、輸出の悪化も加速する。

○7~9月期には、前期比+1.8%(年率換算+7.6%)とプラス成長に復帰する。雇用の良好な状態が維持されていることや、ひとり一律10万円給付などの政策効果もあって、外食、旅行、レジャー関連支出が回復し、個人消費は持ち直す。また、中国をはじめとする海外での経済活動の再開や、世界的なIT関連需要の持ち直しで、輸出は底打ちする。ただし、企業業績悪化を受けて設備投資の落ち込みが続くことや、インバウンド需要の回復が遅れることもあって4~6月期の落ち込みを十分に取り戻すことができず、景気がV字回復することも難しい。年度下期も、新しい生活様式の下で、感染拡大防止と経済活動の両立を目指すことで、景気の回復は緩やかなペースにとどまる見込みである。この結果、2020年度の実質GDP成長率は前年比-3.9%と2年連続でマイナス成長に陥ると予想する。

○当面の景気下振れリスクは、感染拡大の第2波、第3波が到来し、自粛要請、緊急事態宣言の発令によって経済活動が再び停滞することである。そうなれば、企業が業績悪化や景気低迷の長期化を覚悟し、雇用調整や賃金カットなどリストラに踏み切ることや、設備投資計画を大幅に下方修正することで、景気回復が遅れる懸念がある。また、新興国を中心に感染拡大が収まらず、世界経済の回復が遅れることも不安材料である。

○2021年度は、感染拡大による経済活動への制約が徐々に薄らいでくるうえに、東京オリンピック・パラリンピックの開催によるイベント効果の押し上げや、5Gの本格的普及が進むこと、世界経済が本格的に立ち直ることなどを背景に、景気の持ち直しは続く。東京オリンピック・パラリンピック開催後にイベント効果の剥落で景気が弱含む局面があったとしても軽微にとどまり、年度での実質GDP成長率は前年比+3.6%と高い伸びを達成する。

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