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2020/2021年度短期経済見通し(2020年6月)(2次QE反映後)~景気は持ち直しに転じた後も、新しい生活様式の下で緩やかな回復ペースにとどまる~

2020/06/09
調査部

○6月8日に発表された2020年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比-0.6%(年率換算-2.2%)と2四半期連続でマイナス成長に陥った。1次速報の前期比-0.9%(年率換算-3.4%)からは上方修正されたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、年明け以降の景気は家計部門を中心に急速に悪化した状況に変わりはない。設備投資は増加したが、感染拡大防止のために企業への休業要請、家計への外出自粛要請が出されたことで個人消費が2四半期連続で減少したほか、世界経済悪化とインバウンド需要の落ち込みを受けて輸出が急減した。

○5月25日に緊急事態宣言が全面的に解除され、経済活動の再開に向けて舵が切られるなど、足元で景気は最悪期を脱しつつある。それでも、新しい生活様式の下、経済活動の再開は段階的に進められることになる。このため、緊急事態宣言中の個人消費の落ち込みを一気に取り戻すことは不可能であり、4~6月期は前期比-6.3%(年率換算-23.0%)と、リーマンショック時の記録(同-4.8%、-17.8%)を上回る落ち込み幅となる見込みである。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が悪化し、インバウンド需要はほぼ消失しており、輸出の悪化も加速する。

○7~9月期には、前期比+2.5%(年率換算+10.2%)とプラス成長に復帰する。雇用、所得の極端な悪化が回避できることや、ひとり一律10万円給付などの政策効果もあって、外食、旅行、レジャー関連支出が回復し、個人消費は持ち直す。また、中国をはじめとする海外での経済活動の再開や、世界的なIT関連需要の回復で、輸出は底打ちする。ただし、企業業績悪化を受けて設備投資の落ち込みが続くことや、インバウンド需要の回復が遅れるため、4~6月期の落ち込みを十分に取り戻すことができず、景気がV字回復することも難しい。年度下期も、景気の回復は緩やかなペースにとどまる見込みであり、2020年度の実質GDP成長率は前年比-4.8%と大幅なマイナス成長に陥る。

○当面の景気下振れリスクは、感染拡大の第2波、第3波が到来し、自粛要請、緊急事態宣言の発令によって経済活動が再び停滞することである。そうなれば、企業が業績悪化や景気低迷の長期化を覚悟し、雇用調整や賃金カットなどリストラに踏み切ることや、設備投資計画を大幅に下方修正することで、景気回復が遅れる懸念がある。また、新興国を中心に感染拡大が収まらず、世界経済の回復が遅れることも不安材料である。

○2021年度は、感染拡大による経済活動への制約が徐々に薄らいでくるうえに、東京オリンピック・パラリンピックの開催によるイベント効果の押し上げや、5Gの本格的普及が進むこと、世界経済が本格的に立ち直ることなどを背景に、景気の持ち直しは続く。東京オリンピック・パラリンピック開催後にイベント効果の剥落で景気が弱含む局面があったとしても軽微にとどまり、年度での実質GDP成長率は前年比+4.0%と伸び率は急速に高まるであろう。

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