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2020/2021年度短期経済見通し(2020年12月)(2次QE反映後)~感染拡大防止と経済活動の両立をはかる中、景気は緩やかな回復ペースにとどまる~

2020/12/09
調査部

○ 12月8日に発表された2020年7~9月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比+5.3%(年率換算+22.9%)と4四半期ぶりにプラスに転じた(1次速報時の同+5.0%、同+21.4%から上方修正)。大幅なプラス成長となったことで、景気が最悪期を過ぎ、回復局面に入ったことが数字の上でも確認された。もっとも、前期に急減した後の反動増で見かけ上、高い伸びとなったが、水準は低いままである。政策効果によって押し上げられた部分も大きく、設備投資は減少が続くなど、内容は力強さに欠ける。なお、基準年が2011年から2015年に変更されるとともに、推計方法も一部見直されたことで過去に遡って修正されたが、景気の見方を大きく変える程のものではなかった。

○ Go Toキャンペーンによる個人消費の押し上げ、自動車を中心とした輸出の好調、公共事業など経済対策効果の継続などにより、10~12月期もプラス成長が続く可能性が高い。ただし、感染拡大防止と経済活動の両立をはかる中で個人消費の持ち直しに限界があるほか、設備投資の減少が続くため、伸び率は大幅に鈍化する見込みである。

○ さらに冬場においては、景気が一時的に足踏み状態に陥り、2021年1~3月期に再びマイナス成長に陥る可能性がある。これは、足元の感染者数の再拡大を受けて、自粛要請の強化などで経済活動が抑制されるリスクがあるほか、冬のボーナスが大幅に減少し消費者の節約志向が高まるためである。この結果、2020年度の実質GDP成長率は前年比-5.5%と戦後最悪のマイナス幅を更新するであろう。なお、企業のリストラ圧力が強まって失業者や離職者が増加する、海外経済の減速によって輸出が減少するなどにより、さらに景気が下振れる懸念もある。

○ 2021年度は、感染拡大による経済活動への制約が徐々に薄らぐうえ、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることや、5Gの本格的普及が進むこと、世界経済の回復が続くことなどを背景に、景気の持ち直しは維持される。それでも、新型コロナウイルスの感染の収束が遅れる中で、感染拡大防止に配慮して経済活動再開のペースは緩やかとなる。ワクチンの開発が進むと期待されるものの、普及に時間がかかる可能性がある。このため、年度での実質GDP成長率は前年比+2.6%とプラス成長に復帰するものの、前年の落ち込みを十分に取り戻すには至らない。新型コロナウイルスの感染拡大前の水準(2019年10~12月期)まで回復するのは2023年度にずれ込む見込みである。

○ 2022年度も景気の回復が続き、年度での実質GDP成長率は前年比+1.6%と潜在成長率を上回る伸びが維持される。景気の持ち直しとともに労働需給が徐々にタイト化してくるが、新型コロナウイルスの感染拡大の下で、自宅でのテレワークの推進や業務のリモート化をはじめとする各種の試みが急速に浸透した結果、通信環境などのインフラの整備、AIなど新技術の普及、働き方改革の推進とも相まって、労働力人口の増加、余暇の創出、副業・兼業の広がりなどにつながり、労働生産性を向上させ、潜在成長力の底上げを促すと期待される。

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