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2021/2022年度短期経済見通し(2021年8月)~引き続き感染状況に左右され、景気は緩やかな回復ペースにとどまる~

2021/08/18
調査部
  • 8月16日発表の2021年4~6月期の実質GDP成長率(1次速報)は、前期比+0.3%(年率換算+1.3%)とプラス成長に復帰したものの、前期の落ち込みを十分に取り戻せておらず、同時期の米国、ユーロ圏、中国などの伸びと比べると小幅にとどまるなど、力強さには欠ける結果となった。
  • 7~9月期については、海外経済の回復を背景に輸出の増加が続いている、企業の設備投資意欲は強い、半導体不足が解消すれば自動車の挽回生産が見込めるなどのプラス材料に加え、足元の感染拡大が落ち着いてくれば対面型サービス業を中心に個人消費の悪化にも歯止めがかかると期待される。このため、景気は緩やかに持ち直し、プラス成長が維持される見込みである。
  • しかし、7月以降のデルタ株による感染拡大の影響が懸念材料である。足元の感染拡大に歯止めがかからなければ、企業や消費者のマインドが悪化するうえ、需要を強力に抑制する政策がとられれば、景気が失速するリスクも浮上してくる。また、海外でも感染が再拡大しており、輸出が減少に転じることになれば、さらに下押し圧力が強まろう。
  • これまでワクチン接種の進展が感染収束の切り札になると期待されてきたが、デルタ株の爆発的な感染拡大を受けて、こうした考え方が揺らいでいる。ワクチンの接種を進めることは必要であるが、必ずしもそれがゴールではないとすれば、ウィズコロナ期が長期化することになり、近い将来において、Go Toキャンペーン再開などの需要喚起策やペントアップディマンドによって個人消費が急回復することは望み薄である。
  • 2021年度は、ワクチン接種の進展とともに、年度末にかけて経済活動への制約が徐々に薄らぐと期待されるほか、企業の設備投資の増加が続くこと、世界経済の回復が続くことなどを背景に、景気の持ち直し基調は維持されよう。しかし、感染収束までは至らず、感染拡大防止と経済活性化を慎重にバランスさせていく状況が続くと考えられ、景気は緩やかな回復ペースにとどまらざるを得ない。このため、年度での実質GDP成長率は前年比+3.0%(ゲタの効果を除いた成長率では同+1.1%)と、前年度の落ち込みと比べると小幅のプラスにとどまる見込みであり、2022年1~3月期にようやく新型コロナウイルスの感染拡大前の水準(2019年10~12月期)を回復する見込みである。
  • 2022年度以降も景気の緩やかな回復が続き、実質GDP成長率は2022年度に前年比+2.0%、2023年度に同+1.2%と、いずれも潜在成長率を上回る伸び率となる。景気の持ち直しとともに労働需給が徐々にタイト化するが、コロナ禍においてテレワークの推進や業務のリモート化をはじめとする各種の試みが急速に浸透した結果、通信環境などのインフラ整備、AIなど新技術普及、働き方改革の推進とも相まって、労働力人口の増加、余暇の創出、副業・兼業の広がりなどにつながり、労働生産性を向上させ、潜在成長力の底上げを促すと期待される。

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