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2021/2022年度短期経済見通し(2021年9月)(2次QE反映後)~引き続き感染状況に左右され、景気は緩やかな回復ペースにとどまる~

2021/09/09
調査部
  • 9月8日発表の2021年4~6月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比+0.5%(年率換算+1.9%)に上方修正されたが、依然として前期の落ち込みを十分に取り戻せておらず、同時期の米国、ユーロ圏、中国などの伸びと比べると小幅にとどまるなど、力強さには欠ける内容である。
  • 7~9月期については、感染第5波の拡大と緊急事態宣言の発出により対面型サービスを中心に個人消費の減少が見込まれるものの、海外経済の回復を背景に輸出の増加が続く一方で輸入が減少し、外需寄与度がプラスに転じるほか、企業の設備投資意欲が強いことから、景気は緩やかに持ち直し、プラス成長が維持される見込みである。
  • しかし、デルタ株による感染拡大の影響が懸念材料である。感染の収束が遅れ、医療崩壊のリスクが高まった状態が続けば、企業や消費者のマインドが悪化するうえ、自粛期間の長期化や需要を強力に抑制する政策の採用などによって景気が失速するリスクも浮上してくる。また、海外でも感染が再拡大しており輸出が減少に転じる、半導体不足の解消が遅れ自動車の生産計画がさらに下方修正される、などにより下押し圧力が強まる懸念もある。
  • 今後もワクチンの接種が進むものの、デルタ株の感染力の強さから判断して年内は行動制限が残る可能性が高いこと、Go Toキャンペーンの再開などの需要喚起策も年内は見送られる可能性が高いことから、当面はリベンジ消費によって個人消費が急回復することは難しい。
  • 2021年度は、ワクチン接種の進展とともに、年度末にかけて経済活動への制約が徐々に薄らぐと期待されるほか、企業の設備投資の増加が続くこと、世界経済の回復が続くことなどを背景に、景気の持ち直し基調は維持されよう。半導体不足が解消して自動車の挽回生産の動きが強まることも、景気を押し上げる見込みである。しかし、感染収束までは至らず、感染拡大防止と経済活性化を慎重にバランスさせていく状況が続くと考えられ、景気は緩やかな回復ペースにとどまらざるを得ない。このため、年度での実質GDP成長率は前年比+3.0%(ゲタの効果を除いた成長率では同+1.2%)と、前年度の落ち込みと比べると小幅のプラスにとどまる見込みであり、2022年1~3月期にようやく新型コロナウイルスの感染拡大前の水準(2019年10~12月期)を回復する見込みである。
  • 2022年度以降も景気の緩やかな回復が続き、実質GDP成長率は2022年度に前年比+2.0%、2023年度に同+1.2%と、いずれも潜在成長率を上回る伸び率となる。景気の持ち直しとともに労働需給が徐々にタイト化するが、コロナ禍においてテレワークの推進や業務のリモート化をはじめとする各種の試みが急速に浸透した結果、通信環境などのインフラ整備、AIなど新技術普及、働き方改革の推進とも相まって、労働力人口の増加、余暇の創出、副業・兼業の広がりなどにつながり、労働生産性を向上させ、潜在成長力の底上げを促すと期待される。

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