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2021/2022年度短期経済見通し(2021年11月)~感染拡大の一服を受けて景気は回復していく~

2021/11/17
調査部
  • 11月15日発表の2021年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比-0.8%(年率換算-3.0%)と2四半期ぶりのマイナスとなった。感染第5波の拡大と緊急事態宣言の発出を受けて対面型サービスへの支出が夏場に急減したことに加え、半導体や部品の不足により自動車工業が生産制約に陥って販売が急減したため、個人消費が大きく落ち込んだ。また、一時的に設備投資が落ち込んだほか、自動車の生産制約などによって輸出が減少した。
  • 10~12月期はプラス成長に復帰する見込みである。感染拡大の一服で対面型サービスへの支出が持ち直すと期待されるほか、自動車生産も徐々に回復が見込まれる。また、企業業績の改善を背景に設備投資も増加に転じると予想される。もっとも、盛り上がりが期待されるリベンジ消費は、第6波への警戒感や資源高や円安を背景とした物価上昇による消費者マインドの悪化により、勢いに欠ける可能性がある。
  • 年明け後も、感染拡大を抑制し、緊急事態宣言の発出を回避できれば、経済活動への制約が徐々に薄らぎ、景気回復の動きが維持される。現時点ではタイミングは流動的であるが、Go To トラベルの再開、給付金の支給などの政策効果が加われば、成長率の押し上げにつながる。また、企業業績の改善が続くことや、雇用や所得情勢が改善しつつあることも、設備投資や個人消費の増加を促す要因となろう。
  • それでも、感染が収束にまで至っていない以上、当面は感染拡大防止と経済活性化を慎重にバランスさせていく状況が続くと考えられ、景気の回復ペースが急速に高まることは難しい。このため、2021年度の実質GDP成長率は前年比+2.3%(ゲタの効果を除いた成長率では同+0.5%)と、前年度の落ち込みと比べると小幅のプラスにとどまる。また、実質GDPがコロナ前(2019年10~12月期)の水準を回復するのは、2022年4~6月期にずれ込もう。
  • 一方、感染再拡大が最大の景気下振れ要因であるほか、世界経済の回復力鈍化、自動車の挽回生産のタイミングの後ずれ、資源価格の上昇・高止まりなどのリスクもある。大型の経済対策の策定が予定されているが、政策効果を発揮するためにも、まずは3回目のワクチン接種の促進などの感染拡大の防止策の徹底、医療提供体制の整備、治療薬の確保など、コロナ対策の徹底が求められる。
  • 2022年度以降も景気の緩やかな回復が続き、実質GDP成長率は2022年度に前年比+2.8%、2023年度に同+1.3%と、いずれも潜在成長率を上回る伸び率となる。景気の持ち直しとともに労働需給が徐々にタイト化するが、コロナ禍においてテレワークの推進や業務のリモート化をはじめとする各種の試みが急速に浸透した結果、通信環境などのインフラ整備、AIなど新技術普及、働き方改革の推進とも相まって、労働力人口の増加、余暇の創出、副業・兼業の広がりなどにつながり、労働生産性を向上させ、潜在成長力の底上げを促すと期待される。

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