経営戦略
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景気は緩やかに持ち直しているが、緊急事態宣言の発出と解除、新規感染数の増加と抑制に合わせて経済活動の制限と緩和が繰り返される中で、一部に弱さが見られる。外需においては、インバウンド需要は消失したままであるが、世界経済の持ち直しを受けて、輸出は均してみると増加している。一方、内需においては、新型コロナウイルスの感染収束が遅れる中で、個人消費は弱含んでいる。また、雇用は一進一退で推移しているが、賃金は下げ止まっている。これに対して企業部門では、生産、収益、設備投資が持ち直し、景況感の改善が続くなど明るい材料が増えているが、対面型サービス業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあり、業種間での格差が広がっている。今後は、緊急事態宣言が解除され、ワクチン接種が進んでいること背景に、対面型サービスを中心に個人消費は緩やかに持ち直すと期待され、景気の持ち直しは続こう。また、賃金は緩やかに上昇し、雇用情勢は改善に向かう見込みである。一方、インバウンド需要の低迷は続くうえ、世界景気の回復ペースが鈍っていることや、半導体不足による自動車の減産の影響で、輸出は当面横ばい圏での推移が見込まれ、生産も目先は弱含む可能性がある。ただし、企業の設備投資は引き続き持ち直すと見込まれる。景気のリスク要因は、海外景気の悪化と感染第6波の発生・拡大である。特に、緊急事態宣言の再発出など経済活動が制限される事態になれば、雇用・賃金の削減圧力が強まり、投資が抑制されるなど企業のリストラの動きが広がり、景気が大きく下振れることが懸念される。