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行政評価のネクスト・ステップ

2007/09/10

~事務事業評価を超えて~

事務事業評価が中心の自治体行政評価

 総務省資料によると、2006年10月1日現在で、全国の市区の48%が行政評価を導入している。また行政評価の対象は「事務事業」とする市区が圧倒的多数(98%)になっている。
 このように、自治体では行政評価を導入するにあたって、事務事業評価から取り組むことが大半である。職員が手近な事務や事業を対象に評価シートを作成するための作業がイメージしやすいこと、こうしたシートを記入すること(=照会に対応すること)に職員が慣れっこになっていること、まず事務事業について評価を行い次に施策や政策にステップアップさせていくという理屈付けの理解が得やすいこと、行政評価という言葉には万能薬の響きがあり他がやっているからウチもとなりやすいこと、等々の理由が考えられる。

事務事業評価の限界

 「評価」を導入することとは、PLAN・DO・SEEのスパイラルによるマネジメントサイクルを構築することであり、本来、自治体の意思決定や事業実施過程についても同時に変革を迫るものであるはずである。しかし、そのような十分な覚悟がないまま取り組んだ多くの自治体では、事務事業評価を導入してみたものの、当初の期待に応えられるものになっていないようである。
 その理由としては、先述のように自治体の意思決定や事業実施過程が従前のままで評価だけが付属的に追加されたにすぎないこと、さらには、担当者や所管レベルの自己点検に留まりトップマネジメントの方向からの関与がないこと、自己点検型であるが故に現状肯定の発想から抜け出せないこと、事務事業という比較的細かい単位であるため第三者がみるには細かすぎダイナミックな展開も制限されること、等々が考えられる。
 だからといって、事務事業評価だけではダメで、施策・政策評価を導入しようというのが筆者の主張ではない。それでは、どのような展開が求められるのであろうか。

経営戦略計画型行政評価を

 まず、事務事業の総点検は、社会経済状況が目まぐるしく変化する現在、一定の年限毎に行うことは必要と考える。いわゆる「事業仕分け」である。その際、事務事業の必要・不要、民間移管などの判定を行い、行政が関与すべき領域とそうでない領域との線引きを行う。これは毎年行う必要はなく、数年おきでよい。但し、判定結果については、期限を区切って必ず反映させる。
 行政が関与すべき領域については、部局毎の経営戦略計画(部局マニフェスト、あるいは、部局長と首長との契約といってもよい)を策定し、そこで部局の重要課題を明確にするとともに、課題の解決のメルクマールや成果を業績指標として、きちんとウォッチしていく。部局長が首長に対してアカウンタビリティを果たせるようにする。行政評価とは、経営戦略計画の達成状況を評価することとする。
 このような仕組みを構築することが求められるのではないだろうか。大阪市が、市政改革の流れの一環の中で、従前の事務事業評価(業績評価)をストップさせ、いま上述の経営戦略計画型の「経営方針に係る評価」に取り組んでいる。今後は、このような戦略マネジメント志向の動きが広まるのではないかと筆者は見ている。

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