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梅田“ビッグバン”~変貌を遂げる関西の一等地~

2009/06/01
美濃地 研一

大規模開発が相次ぐ大阪・梅田エリア

大阪市北部の梅田エリアは、景気後退にもかかわらず、大型クレーンが立ち並び、バブルさながらの様相を呈している。JR西日本が三越伊勢丹と組み、大阪駅に百貨店を新たに出店するほか、地域一番店の「阪急うめだ本店」は創業以来の建て替えを、大丸梅田店は大幅増床をすすめている。阪神百貨店の梅田本店の建て替えもささやかれている。

その動向が注目される大阪駅北地区開発

これだけでも近隣都市も含めて大きな影響をもたらすことは、間違いないが、さらなる大規模開発が進められている。大阪駅北地区(通称:梅田北ヤード、国鉄梅田貨物駅跡)の開発である。大阪のことはピンと来ないという方に、イメージしてもらいやすいように、この場所を東京でたとえてみると、「丸の内に汐留と同規模の再開発用地がある」とでも言えば、おわかりいただけるのではないだろうか。全てをあわせると数千億円を超える投資が集中する大阪・梅田は、今まさに”ビッグバン”を起こしつつある。数年後には、街の姿は大きく変貌しているはずである。

開発の中核となるナレッジ・キャピタル

現在、大阪駅北地区で施設の建設が進められようとしているのは、用地全体(24ha)のうち、約7haの先行開発区域といわれている場所である。2012年のまちびらきに向けて、施設の全容が明らかになってきた。
施設全体の中で、注目を集めているのが、コア機能・コア施設となる「ナレッジ・キャピタル(床面積82,300?u)」である。ナレッジ・キャピタルとは、「世界中から多様な人々が結集し、先端技術と高い感性を融合させることにより、新たな知的財産を創出する複合施設」(注1)である。そして、「ナレッジ・キャピタルは都心という立地を生かし、消費者の厳しい評価を受けるとともに、さまざまな人々の交流を通して、技術と感性を融合させ、豊かな未来生活の実現」(注2)をめざすとしている。「サイバーアートセンター(先端技術とアート&デザインが融合したプロトタイプ成果をメディアアート等の手法を使って楽しく体験できる)」、「ロボシティコア(ロボットテクノロジーにおける世界水準の研究開発・情報発信拠点)」といった施設が全体の推進エンジンとなり、「あつまる」、「みせる」、「つくる」、「まじわる」といった機能をもった施設間のコラボレーションを促し、新たな知を創造・発信することをめざしている。
近畿経済産業局の調査報告書(注3)においても、ナレッジ・キャピタルは「イノベーション創出」のための知の拠点として位置づけられており、関西地域の発展に大きな影響を及ぼすとみられている。

ナレッジ・キャピタルの取り組みを全国・世界に発信することが重要

ナレッジ・キャピタルは、このように全国的にもみても先例のない、「新たな知を創造・発信する」非常に意欲的な事業であり、モデルとなるケースがない日本初のプロジェクトである。
2009年3月中旬には、ナレッジ・キャピタルの活動を紹介するイベント「ナレッジキャピタルトライアル2009」も開催され、会場は多くの来場者で埋め尽くされ、期待が高まっている様子がうかがえた。2009年4月には、ナレッジ・キャピタル運営を担う組織も法人化された。
しかしながら、こうした意欲的な取り組みがおそらく全国的には知られていないのではないかと感じている。プロジェクトの推進には、関西・大阪の叡智を集めて、取り組みを進めるとともに、全国、あるいは海外からも叡智を集めて、加速させるべきである。そのためには、まず大阪でビジネスにかかわる人々が、所属を超えてさまざまな形でこのプロジェクトにかかわることからはじめる必要がある。

(注1)「大阪駅北地区先行開発区域プロジェクト」http://kita-yard.com/kc/index.htmlより引用
(注2)同上
(注3)近畿経済産業局「本物を活かした地域づくりの推進方策に関する調査」~大阪駅北地区(主に先行開発区域)をモデルとしたイノベーション創出機能の実証的考察(2009年3月)」 http://www.kansai.meti.go.jp/7kikaku/20FY_KOUIKI/chinokyoten_report.html 参照

研究開発第2部
主任研究員
美濃地 研一

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