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震災復興、観光のまちとしてできること

2011/04/21
田中 三文

 東日本大震災において被災された皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。
震災から1ヶ月以上を経た今なお被災地においては厳しい現実が続いている。観光地においても、被災地の観光地ばかりではなく、他の地域も全国規模で旅行の取りやめ、自粛等によって大幅な旅行者減の影響が出ている。
 今、震災復興に向けて、被災を免れた全国の観光地では何ができるのだろうか。宿泊施設の協力による被災者の方の受入れ、復興支援キャンペーンなどによる義援金による支援、修学旅行の行き先変更を余儀なくされた学校の受入れなど、対応可能なことはそれぞれの町で実行に移されている。しかし、これらに加えて大切なことは、これまでどおりの観光客誘致活動(地域の魅力を発信し、より多くの観光客に来てもらうこと)を続けていくことである。
 震災後、地域を代表する祭事やイベントの中止が各地で相次いだ。東海地方でもその町にとっては1年で最も観光客を集めるイベントがいくつか中止されている。もちろん、被災者の心情を察しての決断であり、その判断自体が決して否定されるものではない。
 愛知県蒲郡市でも、震災1週間後に予定されていた観光フェアが中止と発表された。しかし、その直後、今回の震災被害に対して、観光のまちとして何か支援できないかと、蒲郡市観光ビジョン推進委員会の呼びかけにより、蒲郡の観光に携わる7団体が協力しあって、『がんばれ東北・関東「観光のまちでできる支援」』と称するチャリティーを呼びかけるイベントに姿を替え実施された。
 宮城県知事からのメッセージがある。「被災地が元気になるためには、日本経済全体の元気が必要であります。全国の皆さまには、過度に自粛することなく、ぜひ、被災者の分まで経済活動やイベントの開催などを積極的に行っていただき、日本全体を盛り上げていただきますようお願いを申し上げます。」(宮城県ホームページより)
 観光産業は、1次、2次、3次産業まで関連する総合産業として、地域への影響は大きい。数万人規模のイベントの中止は、宿泊施設ばかりではなく、交通、飲食、物販、広告、農業、水産業など様々な産業、地域への影響を及ぼす。観光のまちとしてできることは、普段どおりに地域の魅力を発信し、普段どおりにお客様を受け入れ、地域経済を維持・活発化することに他ならない。
 ただし、当面のマーケットを考えた場合、遠出を控える傾向は続く可能性はあり、宿泊施設においては震災前どおりのマーケットの回復は多少時間がかかるかもしれない。まずは、近場のマーケットから確実に回復させていくことが求められよう。

研究開発部
上席主任研究員
田中 三文

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