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企業の環境経営格差に関する一考察

2007/10/01
奥野 麻衣子

 経済活動のグローバリゼーションが急激に進むとともに、地球温暖化やコンプライアンス、企業の社会的責任(CSR)に関する社会的関心度は飛躍的に高まっており、環境問題はその中核にも位置する経営課題であるといえる。変化する環境問題にダイナミックに対応し経営リスクをマネジメントする(もしくは機会創出する)行為を「環境経営」と呼ぶこととし、環境経営ツールの代表格である環境マネジメントシステム(EMS)の国際標準ISO14001にまつわる企業実態をデータで概観した。
 日本はISO14001の取得件数世界一を誇り、ここ数年は中小規模組織の認証取得が著しく増加、取得組織全体の4割以上を占めている。ISO14001以外の簡易版・地域版EMSもよく発展、普及している。その背景にはグリーン・サプライチェーン・マネジメントの進展があったといえ、このようにして普及拡大したEMSは取引許可証的な意味合いが強い。
 優良な企業は変化する経営環境を適切に察知し、企業価値の損失リスクを管理し、また成長のチャンスを創出する。ISO14001には経営変化に対応するためのダイナミックなモデルが含まれているはずだが、人的・金銭的資源の制約が厳しい中小企業においてはこれが活用されないばかりか、自主的な企業の環境経営を損なう恐れもある。そこには環境経営の企業格差、あるいは社会的な期待とのギャップがある。むしろ経済的余裕の少ない中小企業であるからこそ、自社の経済的な目標と、環境問題への対応戦略を自ら融合させて運営する必要がある。

環境・エネルギー部
主任研究員
奥野 麻衣子

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