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中国における地域間のエネルギー格差

2007/10/01
青野 雅和

 中国のエネルギーの多様性は、日本のそれと比べて目をみはるものがあり、地域の特徴をより生かしたものとなっている。実際には、燃料供給の流通の壁、パイプラインなどの供給インフラの未整備により、国全体での画一性、網羅性を成すことが難しいと言い換えたほうがいいかもしれない。
 電力供給についても、西部地域を中心に10%強の無電化地域が存在し、チベットに至っては70%が無電化地域である。石油、天然ガスなど資源豊富なこうした西部地域から、経済発展の盛んな沿岸部にエネルギー供給のインフラを整備するにもかかわらず、その生産地域である西部地域のエネルギー供給インフラは整っていない。西部地域は中国でも貧しい地域であり、エネルギーについても経済格差による供給体制の優劣が現れている。
 近年、再生可能エネルギーの利用が中国でも盛んになりつつある。ただし、本来、石油代替エネルギーとして導入されるべきであるはずの小中規模水力発電、太陽光発電が、結果的に無電化地域でのマイクログリッドを構成することが主な用途となっている。再生可能エネルギーは費用対効果が悪いことから、事業採算性を確保することが難しく、地理的状況の優劣に依存することから、コストを無視できる政府主導のプロジェクトなどでのパイロット事業的志向を帯びていた。しかし、再生可能エネルギー法の施行により、再生可能エネルギー由来の電力の全量買取義務、その他優遇政策が整備されたことから、事業採算性はよくなり、特に風力発電で民間事業者の参入が爆発的に拡大した。今後はこうした導入支援的な政策が整備されることで、地域間の「エネルギー格差」を埋めていくことが予測される。また、一方で、地域特有のエネルギー源を使用したエネルギー消費構造が展開されていくであろう。
 本稿では中国のエネルギー供給の状況を紹介したうえで、地域間格差の実情について紹介したい。

社会システム共創部
チーフコンサルタント
青野 雅和

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