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Web2.0以降のラーニング・イノベーション

2007/10/01

 “Web2.0”というキーワードに象徴されるネットの急激な変化の中で、学習(ラーニング)に新たなイノベーションの兆しが見えている。
 eラーニングの急速な普及にみられるように、「いつでも、どこでも、誰でも」利用できる学習環境の実現を目指して、学習提供方法のボーダレス化やグローバル化が進んでいる。しかし、それらの多くは、対象者の拡大や提供方法の効率化を目的としたものである。そして、“Web1.0”と呼ばれる従来型のネット技術を使った学習方法の問題点が明らかになっている。特に、学習におけるコミュニケーションの双方向性の不足、学習者側の主体的な参加の難しさなどが指摘されている。
 これらの問題の解決方法として期待されるのが、Web2.0と呼ばれるネットの新潮流である。例えば、ブログ・SNSや3D仮想技術により、講師と学習者とのコミュニケーションの双方向性を高め、学習者同士での協調学習を容易にし、ヒューマンタッチを伴ったネットによる学習環境の改善が進んでいる。
 さらに、「学習コンテンツのつくり方」に新たな地平が見えつつある。Web2.0の特徴は「利用者参加型メディア(Consumer Generated Media: CGM)」だといわれている。この手法を活かして、コンテンツの開発に学習者自らが参加する「学習者参加型コンテンツ(Learner Generated Content: LGC)」の開発が徐々に広まっている。つまり、従来の「教える側」と「教えられる側」という硬直的な関係を超えて、誰もがコンテンツの「作り手」となる可能性が生まれているのである。
 教育研修の世界では、古くから「学習者中心の教育」の重要性が指摘されてきたが、実現は容易ではなかった。それが、Web2.0以降の新しいネットの進化により、学習者中心の概念を超えた「学習者主導型ラーニング(Learner Directed Learning)」の可能性が広がっている。
 本稿では、Web2.0を契機とした新しいネットの動きをふまえて、次世代の学習環境のイノベーションの行方を考察する。

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