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創造都市バルセロナの文化政策

2008/01/01
太下 義之

 本論においては、世界最先端の創造都市であるバルセロナを対象とした事例研究を試みた。
 最初に、バルセロナの文化政策の歴史及び現在の文化戦略“New accents2006 BARCELONA STRATEGIC PLAN FOR CULTURE”を概観した後、バルセロナにおける具体的な文化プロジェクトを「創造的な都市開発」「創造的なイベントの開催」「創造的な産業の振興」という3つの視点から概観した。「創造的な都市開発」においては、旧市街地「ラバル地区」と新市街地「22@」の2つの事例を分析した。また、「創造的なイベントの開催」においては、過去に開催された2つの国際イベントと現在も継続的に開催されている「Sonar」及び「RAVAL(S)」という2つの特色あるフェスティバルをとりあげた。さらに、「創造的な産業の振興」においては、バルセロナにおいて誕生した、世界的水準で活躍するスモールビジネスやクリエーター達を紹介した。
 このように創造都市として多様な展開を見せるバルセロナの背景に、“Agenda21 for culture”(文化のためのアジェンダ21)がある。この“Agenda21 for culture”とは、都市および地方自治体が文化発展のために基盤を構築する必要があるという使命を明記した、世界初の公式な文書である。同文書は、世界最大の地方自治体の連合組織であるUnited Cities and Local Governments(UCLG;都市・自治体連合)によって2004年に採用された。そしてバルセロナは、UCLGのWorking Group on Culture(文化部門ワーキング・グループ)の代表(2005年~2007年)を務めているのである。
 最後に本論の結論として、“Agenda21 for culture”及び“New accents 2006”に学ぶ、日本の都市及び地域への政策的インプリケーションとして、「統合政策としての文化政策」「文化多様性」「新しい“公”」という3つのキーワードに整理した。

経済政策部
主席研究員
太下 義之

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