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農業:グローバリゼーションとローカライゼーション

2008/07/01
森口 洋充

 現在、世界では、100年に一度とも言われる食料危機に瀕している。今回の食料危機は、これまでのような物質的な食料不足によるものではなく、農産物価格の高騰によって生じているのが特徴である。この大きな原因として、発展途上国において、食料の生産・技術開発を先進国に依存したまま、グローバリゼーションが急速に進んだことが挙げられる。一方、日本は世界最大の食料輸入国であることからも、現在起こっている穀物価格高騰の主役の一人であるとも言えよう。今後、世界的に穀物価格が低下しないことが見込まれている今、日本においても発展途上国に対して技術援助等を積極的に行っていくだけでなく、もう一度国内農業を強化していくことが求められていると言える。
 その日本では、自給率がついに40%を切り、その上昇の糸口を見つけられないでいる。そもそも自給率が低下している要因は、生産の減退よりもむしろ食生活の変化にあり、それに対して日本の農業が対応できなかったことにある。それは、米を中心とした価格支持政策をあまりに長期にわたって継続したことにより、ほとんどの農家が兼業農家となり、米以外の生産ができなくなってしまったことにある。
 本稿では、上記の認識のもと、日本の農業を強化するための方向性として、①農業生産のいっそうの効率化、②農村の再生と農業の担い手確保、③ローカルな価値の再認識を挙げたうえで、最後に、消費者の意識や認識、知識の不足により日本農業の強化が進まない点を指摘するものである。

環境・エネルギー部
主任研究員
森口 洋充

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