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ERM(Enterprise Risk Management)と企業価値

2009/10/01

 米国では、内部統制(Internal Control)を超えたERM(Enterprise RiskManagement)が提唱され、経営の重要な課題となっている。全社的なリスクを認識、評価、コントロール、モニタリングする組織的な対応が求められている。本稿では、全社的なリスクにはどのようなリスクが認識され、その影響度(リスク額)は定量的にはどのように計測されるかを考察し、モデル企業を使って実際に算出を試みる。この試算により、マクロ経済の変動リスク、企業の取扱う商品に係る市場リスクなどの外部要因リスクが全社的リスクの過半を占め、事業戦略リスクや業務リスクなどの内部要因リスクはリスク額が比較的小さいことが分かる。しかし、リスク・コントロールの面からは、外部要因リスクのコントロールには限界があるが、内部要因リスクはかなりの程度までコントロールできるリスクであると言え、リスク・コントロールの重要性が認識される。定量的に把握された全社的リスク額は、企業が将来生み出す収益に対して影響を与えると見られる事象発生の不確実性を反映したものである。したがって、企業が将来生み出す収益の総和の現在価値である企業価値(事業価値)の算定にも影響を与えるものである。企業の本源的な事業価値を合理的に把握するには、本稿にて計測を試みたように、企業の全社的なリスク額を把握し、このリスク額を控除した上で企業価値を算出することが必要と考える。

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