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日本型「持続可能な都市(サスティナブル・シティ)」の提案

2009/10/01
沼田 壮人

 地球環境問題への危機意識から、それまでの経済発展・成長のあり方を問い直す「持続可能な発展」という概念が提唱されるようになった。以来、「持続可能」という言葉がさまざまな場面で使われるようになっているが、「持続可能」にしたい対象が何であるかによって、上記の「持続可能な発展」の文脈とは異なる意味で使われていることがあるので注意が必要である。本稿のテーマである「持続可能な都市」は2つの意味を持っている。ひとつはその都市に住む住民の生活の質が持続的に向上すること、もうひとつはその都市の活動が他地域の持続可能性を奪わないことである。「持続可能な都市」を実現するためには、都市の空間的膨張を抑えてエネルギーや公共サービス面での効率性を高めることや、住民の生活の質を支えるストックを維持向上させること、といったアプローチが有効となる。日本の都市は、高齢化・人口減少、財政危機といった難しい条件下で持続可能な都市を実現しなければならない。一方で鉄道をはじめとする公共交通網の発達などは、持続可能な都市を実現するうえでの優位な点でもある。交通システムをはじめ、温暖化対策、エネルギー供給システムといった、持続可能な都市を実現するためのノウハウが蓄積されれば「都市管理システム」として貴重な知のストックとなる。この知のストックが新たな産業のタネとなり、経済面での持続可能な発展に寄与する可能性がある。

研究開発第2部
主任研究員
沼田 壮人

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