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新しい日本的経営実現に欠かせない「個人」への教育

2009/10/01
名藤 大樹

 日本的経営とは、メンバーシップで雇用した正社員を対象に、長期間の保護を提供することにより、組織へのコミットメントを引き出す仕組みであった。また、企業の制度のみでなく、国や組合や個人などすべての要素が補完的に作用することで機能してきた。
 2000年代、日本企業を取り巻く外部環境は、グローバル化によるコスト競争、人口減等による国内成長率の低下、法律による問題解決の増加など、大きく変化した。企業は、これらの変化を受け、正社員のメンバーシップをなるべく維持しつつ人事管理を成果主義的に変更すると同時に、非正社員を増加させるという方向へ進んでおり、社員に対する「長期間の保護」の提供を従来どおりに継続することは困難となっている。それゆえ、昔ながらの組織へのコミットメントに頼るマネジメントへの依存は継続が困難と考えられる。
 日本的経営の強みの本質を残すためには、組織へのコミットメントへの依存度合いを下げ、新しい企業と個人の関係へ移行する必要がある。移行のためには、企業だけでなく、国・労働組合・個人も併せて変わらなければならない。特に、個人に対して、従来組織が社員に保護として提供してきたものを個人にスキルとして与えていくことが重要であり、そのスキルの内容そのもの、および、教育の担い手の明確化が急務となる。本稿ではそれぞれについて具体的に検討した。なお、これらの教育は単に欧米型個人の育成を目指すものではなく、日本と外国の違いを相対化して理解させるような内容を加えることが望ましい。

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