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正社員人事制度の現在

2010/04/01

 日本企業における人事制度は、正社員中心主義を旨として、その周辺労働力として非正社員を配置する構図を形成しながら、トータル人事やトータル人材マネジメントといったフレームワークのなかで、戦後の企業成長とともに進化・発展を遂げてきた。
 その歴史的経緯は、「年功主義」に始まり、「職能主義」を経て、現在では「成果主義」パラダイムが定着をみている。成果主義も一時期、試行錯誤を経験したが、企業各社は、成果主義の欠点を克服して、自社の実情にマッチした成果主義へと制度転換を果たしているところがほとんどである。
 日本企業の正社員人事制度の特徴は、「人基準」にある。つまり、正社員として採用される「人」を基軸に、長期雇用を前提としたジョブ・ローテーションを実施し、さまざまな職務経験や職場体験の機会の提供を通じて人材育成を図り、十分に能力開発された人材については、しかるべき処遇を提供する。しかし、昨今の人事制度のトレンドは、処遇の基軸を「人基準」から「仕事基準」へとシフトさせている。それが、日本企業においても顕著に見られる「職務・役割主義」の台頭である。
 一方、少子高齢・人口減少社会の本格的な到来は、人事や人材マネジメントの仕組みに多様で柔軟な選択肢を求めるようになった。これからの企業においては、正社員や非正社員といった雇用の別なく、さながら「モザイク職場」のように、多様な人材のミックスやポートフォリオで働く社員の処遇を考えていかざるを得ないところにきている。
 さらに、差し迫った経営のグローバル化は、日本企業を「同一価値労働同一賃金」といった古くて新しいテーマに真剣に対峙させる状況を出現させている。人事・人材のグローバル化は、もはや後戻りはできない状況にある。

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