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総合計画策定プロセスへの住民参加の効果と課題

2010/10/01
大塚 敬

 地方自治体の総合計画の策定プロセスに住民参加機会を設け、住民のニーズや意見、提案を計画に反映する取り組みが活発化している。特に、アンケート等の間接的な参加手法だけでなく、策定プロセスに直接参加し、意見や提案を行政に直接提示して計画に反映させることのできる機会、すなわち直接型参加機会を設ける例が増えている。このような提言を行う検討組織は、従来は公募により集められた人々によって組成されるものが多かった。しかし、近年は無作為抽出によって参加者を選出することで、母集団と比較して偏りのない構成とし、従来の手法と比較して代表性、中立性の高い意見や提言を得る手法を導入する例が見られはじめている。
 こうした手法の代表例として「プラーヌンクスツェレ」と「討論型世論調査」があげられる。プラーヌンクスツェレは無作為抽出により選出された住民が、行政からの十分な情報提供を受けたうえで住民たちだけで議論を行い、短時間で合意形成を図るという手法であり、一方の討論型世論調査は、無作為抽出により選出された住民に討論を通じて十分な情報や専門家の意見、住民相互の意見等を聴く機会を提供し、その経験により熟慮された世論調査結果を得ることができるという手法である。
 今後、「新しい公共」への意識の高まりや、厳しい財政状況の長期化にともなう施策の選択と重点化の必要性、議会改革への期待と民意を反映するシステムとしての役割の見直しの進展等を背景として、直接型住民参加に係る取り組みはより一層重要となり、普及、活性化が進むと考えられる。

公共経営・地域政策部
上席主任研究員
大塚 敬

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