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原発災害から日本の組織人が学ぶべき教訓

2011/07/01
名藤 大樹

 東日本大震災の津波によって、福島第一原発発電所で放射能漏れをともなう事故が発生した。これを受けて、事故への対応、あるいはこれまでの原子力行政について、電力会社や政府の組織としての対応に国の内外から大きな批判が巻き起こった。
 筆者は、批判の主なポイントを、①リーダーの対外的情報発信力の欠如、②事故対応の遅さ、③推進/牽制関係の形骸化、④将来への責任を省みない意思決定、の4点に整理した。これら4点は、事故以前から日本の組織に対して批判的に指摘されていた点と重なる。すなわち、これらは、電力会社や政府の問題として批判をして済む問題ではない。日本人は今回のことを「自分ごと」として教訓を学び取る必要がある
 本論では、それぞれの課題に対してなぜそのような課題が発生するかの要因を分析し、そのうえで、学ぶべき教訓を抽出した。教訓のみを挙げれば、①リーダー選抜ロジックを改良する、受け手側に健全な批判精神を醸成する、②「現場」の育成と組織トップとの信頼関係の醸成、③牽制機能を設置するにあたっては、形式を整えて満足せず、日頃から「事実に基づく本質的な議論」を行うことを組織トップが奨励しておく、④新たな意思決定倫理の確立、である。どれも、日本の多くの組織で弱点となっている部分だと思われる。
 これらの問題は、すべて相当根が深い問題であり、安易に「心掛け」だけで解決できるものとは思わない。しかし、それでもなおこれらの問題を自覚し、今後に活かすという試みを続けるべきであろう。

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