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東京オリンピックとインバウンド消費

~2020年に向けた見通しと課題~

2015/05/11
藤田 隼平

2014 年の訪日外国人数は1341 万人と過去最高を記録し、同時にインバウン ド消費(訪日外国人消費)も大きく増加した。日本では人口減少を背景に国内需要の 先細りが懸念されており、インバウンド消費の増加が需要の落ち込みを補ってくれ るとの期待は大きい。とりわけ人口減少が著しい地方圏では、インバウンド消費を いかに取り込めるかが、今後の持続的な成長に向けた重要なカギを握っていると言 えるだろう。しかし、2014 年現在、外国人旅行者が訪れるのは大都市圏が中心で あり、地方ではインバウンド消費の恩恵をあまり享受できていないのが実態である。

今後も、2020 年に東京オリンピックが開催されることもあり、訪日外国人数は 増加が見込まれ、インバウンド消費も伸びを高めると期待される。しかし、それは あくまでも通過点である。日本が真に観光立国を目指すのであれば、そうしたイベント事がなくても外国人旅行 者を継続的に獲得する必要があり、そのためには、2 度目以降の訪日旅行者(セカンド・ビジット)の需要をい かに取り込むかが課題となる。

初めての訪日旅行者(ファースト・ビジット)における満足度の向上のほか、現在は大都市圏にとどまってい る多くの外国人旅行者に日本の新たな魅力としての地方に気づいてもらう必要がある。四季の体感や伝統文化 の体験等、ショッピングだけではない日本の楽しみ方を多くの外国人旅行者に感じてもらうことができれば、イ ンバウンド消費は持続的な成長経路に乗り、日本経済を下支えする要因としての確固たる地位を獲得することに なる。地方に求められるのは大都市圏との差異化であり、日本古来の伝統文化や自然の豊かさを伝える戦略の策 定・強化等、地方自治体による主体的な取り組みが求められる。

調査部
研究員
藤田 隼平

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