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より良いレガシー創出へ向けて求められる視点とは

~2020年東京大会を将来の発展につなげるために~

2015/05/11
本橋 直樹

2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催へ向けた準備が進む中、大会 のレガシーに関する議論にも注目が集まりつつある。レガシーとは、大規模イベン ト等の開催を通じて産み出され、かつ長期間にわたって残る影響や変化のことを指 し、近年のオリンピック・パラリンピックでは、いかなるレガシーを残すかも大き な論点となっている。

2012 年のロンドン大会では、レガシーがこれまでになく重視された。レガシー の対象は、経済、社会、文化、雇用等多岐にわたるが、ロンドンにおいては、ロンド ン東部の再生も大きなテーマのひとつであり、会場整備にあたっても、大会後のレ ガシーとしての利用をベースにした施設計画・建設が行われた。また、交通分野に おいてもハード・ソフト両面で施策展開が行われ、その一部は現在もレガシーとし て引き継がれている。

東京においても、東京都長期ビジョンほか大会関連の諸計画にレガシーに関する 検討事項等が盛り込まれ、2020 年の大会開催をきっかけとした都市のさらなる成 長の方向性が示されている。

これら計画を実現し、より良いレガシーの創出を図るに際しては、レガシーの対 象を大会に直接関係するもののみに限定せず、また、ハード整備に加えソフト施策 も上手に組み合わせたロンドンの視点は非常に参考になる。また、オリンピック・パラリンピックは、何かを変 える絶好かつ最大の機会であり、起こりつつある変化を何倍もの速さで実現させる「触媒」であるとのとらえ方 も、大いに参照されるべきと考える。

レガシーとは変化であり、その実現には、何を残すかではなく、何を残したいかとの主体的な議論が必要であ る。

研究開発部
主任研究員
本橋 直樹

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