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過去の災害教訓からみたレジリエンス向上の可能性をめぐる論考

~復興まちづくりにおける合意形成に着目して~

2016/02/19
中井 浩司 国友 美千留

近年、災害発生後速やかに都市機能を回復する「レジリエンス」の概念の重要性が高まっている。レジリエンスを実現する基本的な要素として、合意形成は非常に重要なポイントであり、なかでも災害発生後速やかな復興過程を実現するための、合意形成の仕組みの構築はきわめて重要である。

しかし、復興過程におけるまちづくりは平常時とは異なり、早期復興のためにスピードが重視されることや、被災者が他地域に避難して不在となること、事業準備期間が長期になることで合意内容が変化すること等、より困難な問題が多い。

本稿では、阪神・淡路大震災や東日本大震災における住民合意形成プロセスについて、「復興計画」と「復興まちづくり事業」の2つを対象として具体的に紐解き、改めて合意形成の観点から見た復興プロセスの課題を整理し、今後の方向性について検討した。

結果、「復興計画」では、特に東日本大震災ではきめ細やかな意見集約が行われている一方で、それを実現するマンパワーの問題、被災直後に住民が都市のあり方全体について考慮することの難しさ等が大きな課題となっていることが明らかとなった。また、「復興まちづくり事業」では、合意形成の長期化による生活再建の遅れや、都市全体としてのまちづくりのあり方と個別地域のまちづくりとの関係性・連続性等が課題となっていることが明らかとなった。

今後、復興計画と平時のまちづくり計画との関係性の見直しや、復興まちづくりを円滑に進めるための平時からの住民自治の取り組みなど、事前対策と連携した取り組みを進めて行くことが重要である。

公共経営・地域政策部
主任研究員
中井 浩司
公共経営・地域政策部
副主任研究員
国友 美千留

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