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高齢化と人口減少で縮小する個人消費

~必要なのは「高齢者」対策ではなく「高齢化」対策~

2016/11/09
藤田 隼平

日本では高齢化が急速に進み、消費活動における高齢者の影響力は年々増している。しかし、高齢者1世帯あたりの消費額はピークである50代と比べて少ない。現役世代の消費額と大きくかい離した水準ではないものの、高齢化は家計の消費額を下押しする要因となっている。

また、マクロベースで見ても高齢化は世界的に個人消費を抑制する一因となっている。しかも日本では人口もいよいよ減少しており、高齢化と人口減少という2つの要因が重なって個人消費の伸びを抑制している。さらに今の現役世代は前の世代と比べて、むしろ所得水準が低下しており、こうした所得の低い世代がこのまま高齢者となれば、個人消費には一層の下押し圧力が加わる可能性がある。

高齢化社会において必要なことは、今の高齢者の消費を底上げする「高齢者」対策ではなく、現役世代も含めた国民全体の消費を底上げする「高齢化」対策である。そのためには国民一人ひとりの所得を増やすことが不可欠であるが、政策によって達成するのは容易なことではない。企業としては国内の消費市場が縮小することを想定したうえで、消費者のニーズに合った製品の開発やサービスの提供等の対策を進めて行くことが肝要である。

高齢者を中心に消費者のニーズは、世代特有の要因や時代の変化にともなう嗜好の変化等を反映して常に変わっていく。このため、そうした趨勢をとらえることができれば、新たな需要の獲得につながると期待される。そして、そのような企業の主体的な営業努力の先に、高齢化と人口減少という二重のハードルを越えて、日本経済が成長を続けるための道筋が見えてくる可能性がある。

調査部
研究員
藤田 隼平

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