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LGBT政策の動向と企業のLGBT対応の状況

2017/12/26

本稿では、日本において性の多様性がどのように扱われ、どのような方向に進みつつあるのかを明らかにするため、LGBT政策の動向と企業におけるLGBT対応状況を整理し、今後の展望と課題を検討した。

第2節では、2000年代初頭以降の国および地方自治体におけるLGBT政策について整理を試みている。従来のLGBT政策は人権擁護や男女共同参画の枠組みにおいて、差別の禁止等が示されてきた。近年の事例では、差別の禁止に加えてLGBT支援を具体的に行うための施策が実行され、多様性の尊重という枠組みでLGBT政策が推進されつつあることがみてとれる。

第3節では、企業におけるLGBT対応について、労働者であるLGBT当事者のニーズと企業の取り組み状況についてまとめている。当事者の被差別意識や勤労意欲の点からも企業のLGBT対応が望まれる。ダイバーシティ推進に努める企業において対応が進んでいるものの、個別の施策の実施状況をみると、全体としては当事者の希望に沿えていないのが現状である。今後は具体的にどのような取り組みをどのように推進するのか、特に企業が何を契機に取り組みを始めたのかについて事例研究がされるべきだと考えられる。

LGBT政策も企業におけるLGBT対応も、誤解に基づく取り組みで当事者が不利益を被ることのないよう、当事者目線での施策検討が必要である。当事者目線になるための第一歩は、性の在り方が多様であることを受け入れるということだろう。性の在り方が「男女」の別だけではないことにどう向き合うかが問われている。

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