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リニア中央新幹線開業の交流増進効果と課題

2018/11/05
宮下 光宏

新幹線や高速道路等の高速交通網の進展により、地域間の所要時間が短縮され、交流範囲の広域化や活発化が進んでいる。将来を見通すと、リニア中央新幹線をはじめとした新幹線計画の実現、新東名高速や新名神高速等の高速道路網の充実が図られること、これに、アジアを中心とした訪日外国人の増加等も加わること等から、交流人口は増加し、地域内の消費需要の増加による地域経済活性化が期待できる。一方で、既に始まっている人口減少のスピードはますます早くなり、人口減少に伴う交流人口の減少や消費減少が地域経済の低迷に拍車をかけることも想定される。

本稿では、愛知県を対象に、国内総生産(GDP)と人口(世帯数)減少やリニア中央新幹線開業等を踏まえた将来の交流人口を推計し、それらがもたらす経済波及効果を算出した。その結果、リニア中央新幹線開業後の2028年をピークに交流人口は減少すること、2040年において東海3県外からの交流人口は2018年に比べ年間約1,430万人増加することが見通された。

これらの結果を用いて、経済波及効果を分析したところ、同じ交流人口の量であったとしても、交流人口の質(日帰り型と滞在型)の違いにより地域への経済波及効果は3倍以上、金額にして年間約2,500億円もの差が生じることが確認できた。また、交流人口の増加は最大年間約3,100億円の経済波及効果を生み出すが、人口減少による地域経済の消費減少分(約4,000億円)をカバーできない可能性があることも確認できた。

リニア中央新幹線開業の交流増進効果を持続的・効果的に得るための施策の推進が必要となる。

研究開発部
主任研究員
宮下 光宏

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