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私的な資産形成に関する将来予測・政策シミュレーション分析

2018/01/12
横山 重宏 小林 庸平 大野 泰資
サマリー
  • 今後、公的年金の給付水準が低下(所得代替率低下)することで、65歳以降の世帯収支の悪化が懸念される中、自助、すなわち私的年金の充実や高齢期の就労収入が世帯収支にどのような改善効果を及ぼすのかを数値面から示すことを目的にシミュレーションを行った。
  • 公的年金給付水準低下前(2014年時点)では、世帯主年齢が85歳時点で金融資産がマイナスになる世帯割合は36.9%であるが、公的年金給付水準低下後(2050年時点)になると48.8%と増加し、ほぼ半数の世帯での金融資産(ストック)がマイナスになる。
  • 公的年金給付水準低下後を前提に、30~59歳の収入において、可処分所得(税引後)の10%を資産形成(フロー)する場合※、世帯の金融資産(ストック)がマイナスになる世帯割合がどう変化するかを試算した。その結果、世帯主年齢が85歳時点で金融資産がマイナスになる世帯割合は31.9%となり、上記の48.8%から約17%ポイント改善する。早期の資産形成を促すことで、高齢期の所得を高め、国民生活の安定を図れることが改めて示された。※ここでは、可処分所得の10%未満の資産形成となっている世帯のみが試算対象
  • また、65~74歳時点において年間100万円の追加的な就労所得を得た場合について同様の試算を行った。その結果、世帯主年齢が85歳時点で金融資産がマイナスになる世帯割合は31.4%と上記の48.8%から約17%ポイント改善する。上記の、30歳以降の可処分所得の10%の資産形成の効果と合わせると、世帯主年齢が85歳時点で金融資産がマイナスになる世帯割合は14.8%にまで低下する。高齢期の国民生活の安定を図るためにも、75歳まで就労がしやすいような環境整備が必要である。
  • 資産形成の促進に関して、資産形成の一部(10%のうち2%分)を財政支援する想定での試算も合わせて行った。その結果、高齢期の世帯の金融資産の枯渇に起因する生活保護費等の財政支出(増額)を抑止するのに十分な財政効果があることが示された。
経済政策部
部長
横山 重宏
経済政策部
主任研究員
小林 庸平
経済政策部
上席主任研究員
大野 泰資

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