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「農泊」で地域活性化へ

「ニーズに対応できる人材、施設の確保」、「独自の体験メニュー」、「情報発信」がカギを握る

2018/03/22
内田 克哉

 「農泊(※)」は、政府が2016年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」の施策のひとつとして位置付けられており、2017年度より農林水産省が観光庁等と連携して推進しています。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社観光政策室では、この農泊に着目し、「農泊に関する実態調査」を実施しました。今回の調査では、農泊に取り組む団体・組織に対し、農泊の受入れ状況、事業内容、推進のための課題、取り組みの方向性等を把握するためのアンケート調査を実施し、協力が得られた107団体・組織の回答をまとめるとともに、全国の先進的な事例を調査し、農泊推進に向けた今後の取り組みの方向性についてとりまとめを行いました。

■アンケート調査結果概要

・農泊体験者は、外国人旅行者は増加、国内旅行者は横ばい
-農泊を体験する外国人旅行者について、約7割が増加傾向と回答。一方、国内旅行者では、約4割が横ばいと回答。
 国内市場に比べ、外国人旅行者の伸びが目立つ。

・農泊は、「教育旅行」の受入先として定番化、個人の外国人旅行者にも浸透
-農泊は、国内旅行では「教育旅行」の受入先として定番化し、約7割で主要ターゲットとなっている。外国人旅行者で
 は、個人旅行での来訪が浸透し始めている。

・農泊の課題は「人材の確保・育成」、「受入施設の確保」、「PR・情報発信」
-農泊に取り組む団体・組織の運営上の課題は、「人材の確保・育成」が約7割を占める。また、教育旅行等の団体の受
 入れでは、「受入施設の確保」があり、人材と宿泊施設(宿泊容量)の確保が課題となっている。一方、個人旅行の受
 入れの課題は、「PR・情報発信」が約8割を占め、消費者への直接的なPRや旅行会社等を介さない予約方法への対応
 が求められる。

・農泊体験者の来訪時期は、教育旅行は春~秋、個人旅行では夏に集中
-農泊体験者の来訪時期は、教育旅行は春から秋にかけて平均的に訪れ、個人旅行では夏がピークとなる。一方、冬は、
 教育旅行、個人旅行ともに来訪が少なくなり、閑散期となる。

・今後は「体験メニューの充実」、「受入施設の拡充」に意欲を示す
-農泊に取り組む団体・組織は、今後の取り組みに対し、約6割が「体験メニューの拡充」、「受入協力施設の拡充」に
 対して意欲を示すとともに、個人旅行者向けの対応としては、「SNSやウェブサイトを用いたPR」が示された。

■農泊推進に向けた今後の取り組みの方向性

-教育旅行の受入れでは、「受入施設の確保」、「独自の魅力創出」、「閑散期対策」が必要
-個人旅行は受入れでは「ウェブサイト・SNSを活用したPR・情報発信」、「多様なニーズへの対応」、「農泊を気軽に
 楽しめる仕組みづくり」が必要
-共通して「誰もが安心して農泊を体験できる環境整備」が求められる

※「農泊」
農泊とは、「農山漁村において日本ならではの伝統的な生活体験と農村地域の人々との交流を楽しみ、農家民宿、古民家を活用した宿泊施設等、多様な宿泊手段により旅行者にその土地の魅力を味わってもらう農山漁村滞在型旅行」(農林水産省)を示す。

研究開発部
主任研究員
内田 克哉

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