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中小企業・スタートアップ向け補助金執行の高度化手法「カスケード・ファンディング」導入のすすめ

岐路に立つ科学技術・イノベーション政策③

2020/06/18
北 洋祐 大野 泰資 馬場 康郎

科学技術・イノベーション政策の主要な政策手段の1つとして、「企業の研究開発への資金的支援」が挙げられる。限られた予算のなかで政策の効果を最大化するためには、資金的支援プログラムの運営や制度設計において民間の力を活用していくことが重要であり、実際に諸外国ではそうした取り組みが始まっている。本レポートでは、その1つの例として、EUのイノベーション促進のための大規模な助成プログラム「フレームワーク・プログラム」において導入されている民間活用の仕組み「Financial Support to Third Parties」、通称「カスケード・ファンディング」について紹介するとともに、同様の仕組みの日本での導入を提言する。

<本稿のポイント>

・「カスケード・ファンディング」は、EUのフレームワーク・プログラム(FP) において2014年から導入されている仕組みで、助成金プログラムの制度設計や運営を、欧州委員会から委託を受けた民間の主体(中間支援組織)が担うことを可能とするスキームである。

・このスキームは、主に中小企業やスタートアップ等の小規模な企業に対し少額の資金的支援を行うプログラムにおいて活用されている。欧州委員会は、プログラムのコンセプトや目的などの大枠のみを設定したうえで中間支援組織を公募し、中間支援組織は具体的なターゲットや支援手法について詳細に設計して提案する。提案を採択された中間支援組織は、欧州委員会と助成契約を結び、欧州委員会に代わって中小企業・スタートアップ支援のプログラムの運営(公募、審査、採択、プロジェクト・マネジメント、支払い・その他支援等の業務)を行う。

・こうした仕組みには、政府機関が直接運営する場合と比較して、以下のようなメリットが存在する。

▸制度設計の自由度が高まり、支援対象にとって使いやすいプログラムを実現できる

▸ターゲット設定の詳細化と、ターゲットへの効果的なアウトリーチが可能

▸資金以外にも多様な支援を提供することが可能

▸プログラム運営コストの大幅な圧縮が可能

・日本においても、中小企業・スタートアップを対象とした資金的支援プログラムの高度化や効率化が喫緊の課題となっている。カスケード・ファンディング等の諸外国の仕組みに学び、民間活用を積極的に進めていくことが重要である。

(続きは全文紹介をご覧ください。)

※本レポートは、シリーズ企画「岐路に立つ科学技術・イノベーション政策」の第3弾レポートです。各レポートは独立していますが、よろしければ第1弾「イスラエルにおける研究開発型スタートアップ支援施策のポイント 」および、第2弾「近年の米国のSBIR制度の評価と運用に見る研究開発型スタートアップ支援策の方向性」も併せてお読みください。
経済政策部
副主任研究員
北 洋祐
経済政策部
上席主任研究員
大野 泰資
経済政策部
副主任研究員
馬場 康郎

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