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2020年夏期 東海3県主要集客施設・集客実態調査

~新型コロナウイルスの流行に伴う帰省自粛や夏休み期間短縮により、約8割の施設で集客数減少 約3割の施設で地元客が増加し、近場での余暇が進む~

2020/10/21
加藤 千晶、内田 克哉、小塚 佳保瑠

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区 代表取締役:村林 聡)は、「2020年夏期 東海3県主要集客施設・集客実態調査」〔東海地方の主要集客施設90施設を対象としたアンケート調査(2020年9月)〕を実施し、有効回答を得た80施設※1の夏期(7月21日~8月31日の42日間)の集客実態を分析しました。
なお、今年の夏休みは、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響で夏休み期間短縮の動きがありましたが、昨年との比較のため、調査範囲は例年の夏休みと同様期間(7月21日~8月31日の42日間)としております。

【結果概要】

●新型コロナに伴う帰省自粛・団体客減・夏休みの短縮で約8割の施設が集客数減少
今夏は、全79施設(対前年比が分かるもの)のうち、約8割(84.8%)の67施設で集客数が前年を下回る結果となり、前年から増加した施設は12施設(15.2%)に留まった。
帰省自粛や団体旅行の減少、学校の夏休み期間の短縮といった活動変化が大きく集客数減少に響いた。
また、今夏は昨年に比べて台風による影響は少なかったものの、例年よりも遅い梅雨明け(8月1日)も集客に悪影響をもたらした。

●密を避けられる屋外型施設では集客数増加も
施設種別ごとの対前年比増減割合は、屋内型施設では全21施設中20施設(95.2%)で対前年比減となったのに対し、屋外型施設では、全21施設中6施設(28.6%)、屋内・屋外複合型施設では全37施設中5施設(13.5%)が対前年比増となっており、密を避けることができる屋外型施設が選ばれる傾向にあったとみられる。

■各施設の集客数の状況

  • ・集客数は、「ナガシマリゾート」(三重県桑名市)の約124万人で14年連続トップ。しかしながら、新型コロナの流行による県をまたぐ移動の自粛が影響し、集客数は対前年比で大幅に減少した。次いで「刈谷ハイウェイオアシス」(愛知県刈谷市)が約70万人、「河川環境楽園」(岐阜県各務原市)が約50万人、「ラグーナテンボス」(愛知県蒲郡市)が約34万人、「JAあぐりタウンげんきの郷」(愛知県大府市)が約30万人と続く。
  • ・集客数上位5施設のうち、対前年比増となった施設は「JAあぐりタウンげんきの郷」(愛知県大府市)のみであり、SNSでの情報発信が奏功したことや、地元客の増加により、対前年比6.6%増となった。

■対前年比増減の動向

【新型コロナによる影響】

  • ・今夏は、新型コロナによる影響で、人々の移動・活動の自粛が見られ、特に帰省自粛は約8割(78.5%)の施設で集客に悪影響をもたらした。また、団体旅行も減少しており、約8割(77.8%)の施設で集客に悪影響となった。
  • ・2020年3月以降、新型コロナ感染拡大防止のための休校対応による学習の遅れを取り戻すため、各学校で夏休み期間短縮の動きがあり、「愛知県緑化センター」(愛知県豊田市)や「国営木曽三川公園138タワーパーク」(愛知県一宮市)等の、ファミリー層が訪れる施設を中心に、約7割(72.9%)の施設で集客に悪影響がもたらされた。
  • ・新型コロナによる渡航制限により、訪日外国人旅行者が激減しており、これまで多くの訪日外国人旅行者が訪れていた高山市内に立地する、「飛騨の里」(岐阜県高山市)等では集客減の要因となった。
  • ・愛知県・岐阜県・三重県では、2020年6月1日から、観光も含めた3県間の人の移動自粛が解除された(3県知事の共同宣言による)ものの、その後愛知県は感染拡大を受け、8月6日~8月24日の19日間を対象に県独自の緊急事態宣言を発表し、不要不急の行動や県をまたぐ移動の自粛を求めた。例年、集客数が増えるお盆期間が含まれたこともあり、特に、これまで広域から来訪があった施設を中心に、約7割(72.1%)の施設が集客に悪影響があったと回答した。

【増加率上位施設の動向】

  • ・増加率1位の「名古屋市東谷山フルーツパーク」(愛知県名古屋市)は、お盆期間中天候に恵まれたことや、若いファミリー層、地元客等の増加が寄与し、対前年比約6割(62.4%)増と集客を大きく伸ばした。
  • ・増加率2位は「宮崎海水浴場」(愛知県西尾市)、4位には「新舞子マリンパーク ブルーサンビーチ」(愛知県知多市)と、いずれも海水浴場がランクインした。「新舞子マリンパーク ブルーサンビーチ」では、屋内施設から、密を避けられる屋外施設へ利用者が流れたことが集客増の要因となった。対前年比の集客数は減少したものの、「とだがわこどもランド」(愛知県名古屋市)、「内海海水浴場」(愛知県南知多町)、「御座白浜海水浴場」(三重県志摩市)でも、密を避けられる施設であったことが集客にプラスに働いたと回答した。
  • ・増加率3位の「養老公園」(岐阜県養老町)では、公園開園140周年記念等の夏のイベント実施が集客増に寄与した。
  • ・新型コロナによる人々の外出・移動自粛が各施設に悪影響をもたらした一方で、増加率5位の「碧南市農業活性化センターあおいパーク」では、活動自粛によって家で過ごす人が増え、家での食事機会が増えたことも影響し、産地直売所の売上・来訪者数が増加した。

■来訪者の動向~約4割の施設でSNSでの口コミを見た来場者が増加。約3割の施設で地元客増加。

  • ・約4割(37.1%)の施設で、「SNSでの情報発信」が集客に好影響をもたらしたと回答している他、約4割(35.3%)の施設でSNSでの口コミを見た来場者が増加しており、集客におけるSNSの重要性とその効果は高まっている。
  • ・約3割(25.4%)の施設で「地元客」が増加しており、新型コロナの影響による移動自粛が影響し、近場でレジャーを楽しむ傾向が強くなっている。

(続きは全文紹介をご覧ください。)

*1 83施設より回答を得たが、夏休み期間中に全日休業した3施設を除く80施設を集計対象とした。
研究開発部
主任研究員
内田 克哉

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