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新型コロナウイルス感染症による高校生・大学生の人口移動への影響に関する調査報告

2020/11/30
自治体経営改革室 室長 大塚 敬、研究員 永野 恵

我が国においては、人口の東京一極集中が長期的に続いてきました。この傾向は大学進学及び就職時の地方圏から東京都への若年層の移住が大きな要因となっています。しかし、新型コロナウイルス感染症により、若年層の東京都への転入数が減少するなど、こうした傾向に変化が生じています。
そこで、本調査では、東京圏以外に居住する高校生及び東京圏も含む全国の大学生を対象として、大学進学時の東京圏への転出意向や、大学卒業時の就職先地域に関する意向を調査するとともに、将来の出身地への移住意向などについて把握しました。さらにこうした選択が新型コロナウイルス感染症によりどのような影響を受けたかについても詳細に把握しました。
大きく変動する我が国の人口動向に対し、地域振興の戦略づくりに取り組むさまざまな立場の皆様にとって、本調査が効果的な戦略の構築を検討する際に多少なりともご参考となれば幸いです。

<要旨>

■調査対象:インターネット調査会社の登録モニターのうち、以下に該当する対象者

  • 1)東京圏以外に在住する高校生及び高校卒業後大学受験準備中の者800サンプル。なお、令和元年度の学校基本調査の高等学校生徒数の地域別比率に近似したサンプル数を確保している。
  • 2)東京圏を含む全国の大学・大学院生、専門学校・各種学校在学中の者1500サンプル。なお、令和元年度の学校基本調査の大学生数の地域別比率に近似したサンプル数を確保している。

■調査結果概要

①将来の進路先の地域

~生活環境、働く環境の魅力から地方の高校生等の2割弱、全国の大学生等の5割前後が東京圏を希望~

  • ・東京圏以外在住の高校在学中の18.3%、大学受験準備中の14.2%、大学生等(東京圏在住を含む全国)の39.5%~54.7%が東京圏の進路先を希望している。
  • ・東京圏の進路先を希望する理由は進路先に関係なく、「東京圏で生活することに魅力を感じているから」が34.0%、「働く環境として東京圏に魅力を感じているから」が31.4%である。

②新型コロナウイルス感染症の進路選択への影響

~高校生等、大学生等の一部が東京圏から地方圏へ進学・就職先を変更しているが、その逆も見られる~

  • ・高校在学中及び大学受験準備中(以下、高校生等)の28.1%が感染症リスクや家庭の経済的事情などから進路を変更しており、その24.4%が浪人回避のため大学志望校ランクを落とし、21.3%が東京圏から地方圏へ、5.8%が地方圏から東京圏へ進学・就職先を変更している。
  • ・大学生等の24.7%が就職先の地域を変更しており、その54.0%が東京圏から地方圏へ、38.1%が地方圏から東京圏へ変更している。

③大学、専門学校等での授業の実態

~9割の大学がリモート授業を実施、今後も続けば東京圏以外出身者の2割は出身地から通学の意向~

  • ・56.0%が全授業リモート、併用も含め90.4%がリモート授業を実施しており、全授業リモート実施は東京圏(64.0%)、近畿圏(57.5%)で多くなっている。
  • ・東京圏以外の地域出身者の19.5%はリモート授業が継続した場合、出身地から通学するとしている。

④東京圏の進路先を希望する者の将来のUターンの可能性

~東京で進学・就職した後に出身地に戻らない意向を有する者は44.2%、戻る意向を有するものは30.8%~

  • ・東京圏の進路先を希望する者は、「東京圏でずっと暮らしたい」が最も多く、「将来はさまざまな地域に住んでみたい」がこれに次いでおり、出身地(高校卒業時の居住地)に戻らない意向を有する者が44.2%を占めている一方、東京圏に進学、就職した後にいずれ出身地に戻る意向を有する者は30.8%である。
  • ・「長男(姉がいる)」「長男(姉はいない)」で将来出身地に戻りたいとする回答の合計割合がやや高い。
  • ・高校生では関東圏、近畿圏、九州圏在住・出身者、大学生では四国圏、近畿圏、関東圏の出身者で出身地に戻る意向を有する者の割合が高い。

(続きは全文紹介をご覧ください。)

公共経営・地域政策部
上席主任研究員
大塚 敬

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