政策・経営研究39号最終
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環太平洋パートナーシップ(TPP)協定24季刊 政策・経営研究 2016  vol.3維持されることになっており、これまでに関税を撤廃したことがない品目に限ると、関税が維持される割合は、重要5品目では約7割となっている。しかしながら、他のTPP参加国からの市場アクセス改善に関する要望も踏まえ、重要5品目のうち米や麦類については、国別の輸入枠が設けられることになっているほか、牛肉、豚肉については関税は撤廃されないものの、削減されることになっている。乳製品についてもチーズ等で関税が削減されるものや、撤廃されるものがある(図表7)。重要5品目以外では、野菜、果物、魚類等で関税が最終的に撤廃されるものがあるほか、ワイン、ケチャップ等のトマト加工品でも時間をかけたうえで関税が撤廃されることとなっている。工業製品では、銅、亜鉛、鉛等の非鉄金属は11年目に関税が撤廃される(一部は即時撤廃)ほか、プラスチック原料や有機化学品等の化学製品では関税が即時撤廃される。最終消費財では、衣類等の繊維製品は一部を除いて、関税が即時撤廃される7。ハンドバッグ等の皮革製品や履物では、国内産業を保護する観点から関税が撤廃される時期は11年目または16年目となっている。関税の削減・撤廃をはじめとする市場開放は、他のTPP参加国でも行われる。農林水産物では、米国は、日本から輸入する米や牛肉について、時間をかけたうえで関税を撤廃する。それまでの間、牛肉は無税の輸入枠が設定されることになっている。このほか、日本酒について図表6 TPP参加国の自由化率図表7 日本の農林水産物の関税引き下げ等に関する合意内容(単位:%)国名日本米国カナダオーストラリアニュージーランドシンガポール全品目9510099100100100工業製品10010010099.8100100農林水産物8198.894.1100100100国名メキシコチリペルーマレーシアベトナムブルネイ全品目9910099100100100工業製品99.6100100100100100農林水産物96.499.59699.699.4100品目合意内容米・米国、オーストラリアに国別枠を設定 米国:発効時5万トン(当初3年維持)⇒7万トン(13年目以降) オーストラリア:発効時0.6万トン(当初3年維持)⇒0.84万トン(13年目以降)小麦・米国、カナダ、オーストラリアに国別枠を設定。マークアップを9年目までに45%削減 米国:発効時11.4万トン⇒15万トン(7年目) カナダ:発効時4.0万トン⇒5.3万トン(7年目) オーストラリア:発効時3.8万トン⇒5.0万トン(7年目)牛肉・セーフガード付で関税削減(現行38.5%⇒発効時27.5%⇒10年目20%⇒16年目以降9%)豚肉・セーフガード付で関税削減。高価格品に対する従価税は現行4.3%⇒発効時2.2%⇒10年目以降0% 低価格品に対する従量税は現行482円/kg⇒発効時125円/kg⇒10年目以降50円/kg乳製品・バターはTPP枠を設定(製品ベースで発効時3188トン⇒6年目以降3719トン)・チーズは、チェダー、ゴーダ、クリームチーズ等は関税を段階的に削減し、16年目に撤廃注:品目ベース、HS2007に基づく。出所:内閣官房TPP政府対策本部『TPPファクトシート「農林水産分野」』、経済産業省「環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)における工業製品関税(経済産業省関連分)に関する大筋合意結果」より作成出所:内閣官房TPP政府対策本部「環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要」、農林水産省「TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果」により作成

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