政策・経営研究39号最終
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なぜTPPが必要なのか55ンショック前のように順調に拡大して、経済成長を牽引する構図にはなっていない。輸出が拡大しない理由としては、まず世界経済の減速が考えられる。日本の輸出の拡大は、円安によってもたらされるのではなく、世界経済の成長にともなう日本からの輸出機会の拡大によってもたらされてきた。ただ、リーマンショック後も、減速したとはいえ世界経済は成長を続けている。これまでであれば日本からの輸出がもう少し増えてもいいのではないか。リーマンショック後は、世界のGDPと日本からの輸出との間に見られた連動が弱まっているようだ(図表11)。中国をはじめとする新興国の輸出競争力が増してくる一方、国内での設備投資が伸び悩み、海外での投資のウェイトが高まっている。日本の輸出競争力は質・量ともに低下してきている可能性がある。世界の輸出に占める日本の輸出のシェアは86年をピークに徐々に低下してい図表11 リーマンショック後は世界のGDPと日本からの輸出が連動しない図表12 日本の輸出の世界シェアのピークは80年代半ば出所:日本銀行「実質輸出入の動向」、IMF「World Economic Outlook Databases」注:世界輸出額に占める各国の金額(ドルベース)シェア出所:WTO“Statistics Database”

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