政策・経営研究43号最終
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日本の財政の現状と中長期的な課題15比が安定することが望ましいとされている。この比率が上昇するということは、所得(=GDP)の伸びを上回って債務残高が増加していることを意味しており、このような財政運営はいずれ行き詰まると考えられるからである。財政健全化の観点から、政府は、2020年度までに国と地方の基礎的財政収支を黒字化させ、同時に債務残高のGDP比を安定的に引き下げることを目指している。国と地方の長期債務残高は、2000年代中ごろには基礎的財政収支の赤字が縮小したこともあって、横ばい傾向で推移した。しかし、2009年度にリーマン・ショックの影響を受けて景気が悪化したことを背景に、債務残高は大きく増加し、それ以降は増加が続いている(図表3)。債務残高のGDP比は、近年は基礎的財政収支の改善が続いたことや名目GDP成長率が高まったことを受けて、上昇ペースは緩やかになっているものの、2008年度の151%から2015年度には194%に上昇してい図表2 歳出と歳入の動向図表3 国と地方の長期債務残高出所:内閣府「国民経済計算」をもとに筆者作成出所:財務省ホームページ、内閣府「国民経済計算」をもとに筆者作成

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